• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

土石流の発生に対する浸透流の役割とその発生確立評価法への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63601022
研究機関京都大学

研究代表者

中川 博次  京都大学, 工学部, 教授 (60027216)

研究分担者 大坪 国順  国立郊外研究所, 水質土壌環境部, 研究員 (20093205)
辻本 哲郎  金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
清水 義彦  京都大学, 工学部, 助手 (70178995)
村上 正吾  京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
禰津 家久  京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
キーワード渓床堆積物 / 相対粗度の大きい流れ / 限界掃流力 / ピックアップレイト対数2乗則
研究概要

本年度の研究によって得られた成果は次の通りである。
(1)渓床部の流れを浸透層を伴う相対粗度の大きな流れとしてとらえ、大規模な粗度間に形勢される流れ(浸透流)と粗度上の流れとの運動量交換に着目しながら、平均流速場の定式化を行い、実測値との良好な対応を示した。また、大粗度に起因する乱れの形成に着目し、相対粗度の大きな流れの乱流特性を検討した。以上の検討によって、降雨の表面流成分と中間流成分分離に関する基礎的知見を得た。
(2)相対粗度の大きな流れにおける掃流砂の限界掃流力を、(1)の知見にもとづき力学的合理性を保ち、推定し、その予測式の提案を行った。得られた結果は、従来の実験値を良く説明しており、流れの構造の変化を明らかにするとともに、砂粒の運動をミクロ的にとらえることの重要性を明らかにした。
(3)渓床堆積層の表層境界面を通しての表面流との流出入流量は、流出入速度の存在自体に加えて、表面流の流速(主流方向)分布をも歪ませる効果をもつ。このときの流速分布は、河床面近くで対数2乗則によって表現されることを示し、室内実験によって、その妥当性の検討を行い、その適用性の高いことを明らかにした。
(4)上記で明らかにされた河床近傍の流れ場のもとで砂礫の初期移動のモデル化を行い、Pickーup rateの推定式を導いた。また、実験より提案式の検証を行い、両者の対応が良好であることを確認した。
(5)step lengthに及ぼす流出入の効果を評価する式を導き、実験より提案式の適用性は良好と判断された。
(6)以上の成果をまとめ、いわゆる掃流状流動の限界を明確にするとともに、集合流動への遷移に関する基礎的知見を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中川博次: 第33回水理講演会論文集. 487-492 (1989)

  • [文献書誌] Hiroji NAKAGAWA: Proc.Int.workshop on Fluvial Hydraulics of Mountain Region,Trert,Italy.(1989)

  • [文献書誌] Tetsuro TSUJIMOTO: Proc.Int.workshop on Fluvial Hydraulics of Mountain Region,Trert,Italy.(1989)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi