研究課題/領域番号 |
63601528
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60041670)
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研究分担者 |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70041051)
岩松 暉 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80018663)
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キーワード | 山くずれの周期性 / 風化花崗岩 / しらす / 山崖くずれ / 表層土 / ハザードマップ |
研究概要 |
わが国のように温暖湿潤の気候下では、山崖くずれはその跡地における植生の回復と表層物質の再生成を通して周期的に繰り返し起こっている。この性質を山ぐすれの周期性または山くずれの免疫性という。本研究は、こうした山くずれの性質を適応して、わが国の斜面災害の大半を占める風化花崗岩地域や火山砕屑物地域における山崖くずれ発生場の広域予測図作成手法の開発を目的として実施したものである。この手法による山崖くずれ危険斜面とは、その跡地形成後長期間が経過し、崩壊材料となる表層土の再生成が進んだ斜面部位をいい、崩壊の危険性が極めて高い所である。縄文海進期の海食崖に由来するしらす急斜面地域と紫尾山風化花崗岩地域を対象にして、山崖くずれの確認と表層土厚の計測、植生調査、空中写真による植生判読等一連の作業を行った。いずれの地域とも山崖くずれは発生しやすい条件下にあり、その周期は短い所である。得られた成果は次のように要約される。 1.山崖くずれは斜面の同じ部位で一部または大部分重複し、繰り返し発生している。斜面の中・下腹部で発生する表層滑落型山崖くずれと上腹部で発生する表層落下型山崖くずれにはそれぞれ違った周期性が認められる。斜面中・下腹部においては、表層土厚と崖くずれの履歴はよく対応している。 2.地形測量や表層土厚の計測など細かな作業を要するが、表層滑落型山崖くずれは表層土厚を、表層落下型山崖くずれは斜面傾斜をそれぞれ指標として危険斜面が予測できる。 3.斜面の植生と表層土厚はよく対応しており、現地調査あるいは空中写真判読によって得られた植生を指標として山崖くずれ危険斜面の広域予測が可能である。
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