1988 年度実績報告書

環境要因の継世代的影響と遺伝リスク

研究課題

研究課題/領域番号	63602014
研究機関	東京大学
研究代表者	嶋昭紘東京大学, 理学部, 教授 (60011590)
研究分担者	巽紘一京都大学, 医学部, 助教授 (30131022) 吉川勲長崎大学, 医学部, 助教授 (80039528) 星野清名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70023653) 池永満生京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378) 野村大成大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
キーワード	ショウジョウバエ / カイコ / メダカ / マウス / ヒト / 突然変異 / 奇形 / 細胞死
研究概要	1.1-3mMのENUとMNUを翅毛スポット突然変異検出系ショウジョウバエ幼虫に3時間摂食させ、染色体突然変異頻度と幼虫DNAのアルキル化付加体生成量を測定した。その結果、生成付加体量当りの誘発突然変異頻度では、ENUはMNUの約7倍であったことから、DNAのエチル化はメチル化よりも突然変異誘発能が高いと考えられる。2.3つの標識を持つテスターメダカを開発し、特定座位法によるオス生殖突然変異の作用量-効果関係をγ線急照射について継続検索した。無照射群では、244,399座位を調べ11の突然変異(総突然変異)を検出したが、これらのほとんどの総突然変異体はなにがしかの発生異常を伴い、発生途上ですべて死んでしまった。照射群では、精子、精細胞、精原細胞の順に総突然変異頻度、生存突然変異頻度ともに1桁ほど低下した。3.In vivo体細胞突然変異検出系マウスにウレタンを妊娠10.5、および12.5日目に皮下注射し、生後6週で奇形と体細胞突然変異を検出したのち、そのまま1年間F_1マウスを飼育し癌の検出をここみた。体細胞突然変異頻度は、ウレタン投与時期が遅いほど上昇したのに対し、奇形は12.5日目投与では、有意に誘発されなかった。ヘパトーマの頻度は、10.0%、65.2%となり、体細胞突然変異と同じように12.5日目の方が高い値を示した。これは発生に伴う標的細胞の増加によるものと思われる。4.妊娠マウスへのエタノール急性投与による胎仔大脳における細胞障害を指標として、マウスの系統差を検討した。アルコール嗜好性系統は嫌忌性系統よりも胎仔大脳外套脳室帯細胞死をおこしやすいことがわかった。

研究成果
(18件)

すべてその他

すべて文献書誌 (18件)

[文献書誌] 嶋昭紘: Mutation Res.198. 93-98 (1988)
[文献書誌] 小村潤一郎: 24. 294-298 (1988)
[文献書誌] 成瀬清: Zool.Sci.5. 489-492 (1988)
[文献書誌] 島田敦子: Zool.Sci.5. 895-898 (1988)
[文献書誌] 小村潤一郎: Photochem.Photobil.(1989)
[文献書誌] 野村大成: Mutation Res.198. 309-320 (1988)
[文献書誌] 辻村享: Jpn.J.Cancer Res.78. 1207-1215 (1987)
[文献書誌] 藤尾誓: Carcinogenesis. 10.
[文献書誌] 星野清: Environ.Med.32. 149-152 (1988)
[文献書誌] 星野清: Teratology. 37. 43-50 (1988)
[文献書誌] 星野清: Teratology. 37. 257-262 (1988)
[文献書誌] J.V.Neel: Am.J.Hum.Genet.42. 663-676 (1988)
[文献書誌] 嶋昭紘: "Lipofuscin-1987:State of the Art" Akademiai Kiado.Budapest/Elsevier Science Publishers,Amsterdam, 147-157 (1988)
[文献書誌] 嶋昭紘: "PRoc.7th Intern.Conf.Invertebrate and Fish Tissue Culture" Japan Sci.Soc.Press,Tokyo/Springer-Verlag,Berlin, 215-217 (1988)
[文献書誌] 嶋昭紘: "Non Mammalian Animal Models for Biomedical Research." CRC Press, (1988)
[文献書誌] 三谷啓志: "Cutaneous Aging" Univ.of Tokyo Press, 89-95 (1988)
[文献書誌] 島田敦子: "Proc.The 3rd Japan-US Workshop on Tritium Radiobiology and Health Physics" (1989)
[文献書誌] 野村大成: "Perinatal and Multigeneration Carcinogenesis" IARC Scientific Pubhlication, (1988)

1988 年度 実績報告書

環境要因の継世代的影響と遺伝リスク

研究代表者

嶋 昭紘 東京大学, 理学部, 教授 (60011590)

研究成果

[文献書誌] 嶋昭紘: Mutation Res.198. 93-98 (1988)

[文献書誌] 小村潤一郎: 24. 294-298 (1988)

[文献書誌] 成瀬清: Zool.Sci.5. 489-492 (1988)

[文献書誌] 島田敦子: Zool.Sci.5. 895-898 (1988)

[文献書誌] 小村潤一郎: Photochem.Photobil.(1989)

[文献書誌] 野村大成: Mutation Res.198. 309-320 (1988)

[文献書誌] 辻村享: Jpn.J.Cancer Res.78. 1207-1215 (1987)

[文献書誌] 藤尾誓: Carcinogenesis. 10.

[文献書誌] 星野清: Environ.Med.32. 149-152 (1988)

[文献書誌] 星野清: Teratology. 37. 43-50 (1988)

[文献書誌] 星野清: Teratology. 37. 257-262 (1988)

[文献書誌] J.V.Neel: Am.J.Hum.Genet.42. 663-676 (1988)

[文献書誌] 嶋昭紘: "Lipofuscin-1987:State of the Art" Akademiai Kiado.Budapest/Elsevier Science Publishers,Amsterdam, 147-157 (1988)

[文献書誌] 嶋昭紘: "PRoc.7th Intern.Conf.Invertebrate and Fish Tissue Culture" Japan Sci.Soc.Press,Tokyo/Springer-Verlag,Berlin, 215-217 (1988)

[文献書誌] 嶋昭紘: "Non Mammalian Animal Models for Biomedical Research." CRC Press, (1988)

[文献書誌] 三谷啓志: "Cutaneous Aging" Univ.of Tokyo Press, 89-95 (1988)

[文献書誌] 島田敦子: "Proc.The 3rd Japan-US Workshop on Tritium Radiobiology and Health Physics" (1989)

[文献書誌] 野村大成: "Perinatal and Multigeneration Carcinogenesis" IARC Scientific Pubhlication, (1988)

1988 年度実績報告書

嶋昭紘東京大学, 理学部, 教授 (60011590)