研究課題/領域番号 |
63602025
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村山 忍三 信州大学, 医学部, 教授 (90020718)
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研究分担者 |
酒井 伸一 京都大学, 環境保全センター, 助手 (90170555)
白須賀 公平 東京大学, 環境安全センター, 助教授 (60011003)
松島 肇 浜松医科大学, 医学部, 講師 (90107821)
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
田中 勝 国立公衆衛生院, 衛生工学部, 廃棄物処理室長 (50106225)
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キーワード | 医療系廃棄物 / 医療機関 / 処理プロセス / 処分 / バイオハザード / 排出動態 |
研究概要 |
病院、医療系研究機関等より発生する医療系廃棄物について、処理処分システムの計画・設計、衛生学的管理システム構築の基礎に関することを目的とした。研究成果の概要はつぎの3点に要約される。1.医療系廃棄物の排出動態について、大学附属病院の調査結果などから、病床1日あたりの発生原単位は1.2〜6.5kg/bed・dであること、10〜50%は感染性廃棄物であること、感染性廃棄物の組成としてプラスチック類繊維類の占める割合が高く、とくに繊維類に限ってはその大部分が感染性であること、医療系廃棄物組成として約4割がプラスチック、ゴム類であり、その中に医療用ディスポ製品の廃棄物が多いことなどの知見を得た。これら医療系廃棄物の排出動態に関する知見は極めて少なく、今後これらを基本とした処理処分システムの計画・設計を検討していく必要がある。2.医療系廃棄物処理にともなう微生物動態について、感染性廃棄物の熱処理(高圧蒸気滅菌、焼却)にともなう微生物の動態調査を中心に滅菌法の問題点の抽出を行った。耐熱性芽胞をもつ細菌として枯草菌(Bacillus subtilis)、易熱性細菌として大腸菌(Escherichiacoli)を用いて試験した結果から、十分な水蒸気置換を行い、所定の圧力と温度を与えてやれば十分な滅菌効果は得られるが、充填方法など制御困難な状況が多い廃棄物を対象とした場合、高圧蒸気滅菌といえども完全な滅菌効果を得られない場合もみられた。また、医療系廃棄物焼却残査の細菌数測定・分離菌識別の結果、高濃度の一般細菌、大腸菌群が検出される場合があった。焼却法は耐熱性の芽胞といえどもこれを死滅させることは十分可能であるものの、適切な炉設計、運転管理が要求される。3.適正管理システムの基本構想について、医療系廃棄物の発生から中間処理、最終処分にいたる全体の医療系廃棄物管理システムの基本指針策定を行い、基本構想案を提示した。
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