研究課題
1.研究目的 重点領域研究「人間環境系」の小研究領域の一つとして「環境要因の人体影響」が設定されている。本研究は、その小領域全体を総括するとともに、研究の進め方、記録、成果の発表、評価などについて研究者相互の討議によって検討することを目的とする。さらに今後着手すべき研究について検討するとともに、パイロット的実験研究を行う必要があれば、それに対応する。本研究では生物医学的な立場からの人体影響、特に実験研究に重点をおくが、近年重視されつつある磁場の影響や人体影響についての社会的評価など、新しい研究の開拓をもめざす。1990年(平成2年)度から発足する本重点領域の第2期計画(3年間)の立案も本研究組織で担当する。2.研究の経過と成果 (1)人体影響研究小領域は、計画研究7班、公募研究14班から成っている。本年度は研究代表者会議を7月と1月に開催し、研究組織相互の情報交換を行った。中でも、昨年度設定されたHRGC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析計)は、摂南大学と樫本隆教授の努力で充分能力を発揮しているので、広く共同利用を推進し、母乳、貝類などにおけるダイオキシンの分布、蓄積についてデータを得た。(2)小領域研究成果発表会を平成元年1年1月10日、11日に京都市で開催した。(3)研究報告集「環境要因の人体影響(2)」を発行した。(4)平成2年度以降の研究の進め方について検討した結果、基礎班を除いて6班の計画研究組織を立案した。昭和62年度に第1期が始まった時以後の研究の進歩をとり入れ、新しく難分解物質の人体影響などをとりあげる。(5)環境科学会年会に本小領域からシンポジウム「磁場・電場の影響」を提供し、本研究の成果を発表するとともに、上記第2計画への提言もまとめることができた。今後の課題としては、他に複合効果、遺伝要因などが重要である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)