研究課題/領域番号 |
63602038
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤尾 雄策 九州大学, 農学部, 教授 (90038224)
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研究分担者 |
小林 均 山梨大学, 教育学部, 教授 (90020388)
矢崎 仁也 日本大学, 農獣医学部, 教授 (60059045)
吉田 冨男 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30109912)
正田 誠 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (70023489)
久保田 宏 東京工業大学, 名誉教授 (10016272)
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キーワード | コンポスト / 下水汚泥 / バイオマス窒素 / 造粒機 / 腐熟度 / 植物病原菌 / 溶菌酵素 / コンポスト化装置 / コンポスト化細菌 |
研究概要 |
本研究は難分解物質である含窒素廃棄物をコンポスト化し、自然の物質循環にしたがって処理することを目的としている。今年度の研究は、コンポスト発酵微生物とその役割、コンポスト評価法の確立、コンポスト窒素の動態、付加価値の高いコンポスト、利用し易いコンポスト、コンポスト化装置設計基準の確立、に目標をおいた。下水汚泥コンポストより11種の好熱性細菌を分離した。分離細菌は活性汚泥を基質として増殖し、汚泥を分解すること、培養物中に溶菌酵素が存在しこの溶菌酵素でも活性汚泥が分解することから、コンポスト化の主要微生物であることが初めて明らかにされた。コンポスト化の程度を知る確立された方法はこれまで知られていない。コンポストの熱水可溶部によるコマツナの植物生育試験との相関で、リグニンの可溶化ピークの消失とともに腐植様物質群が生成し、農業資材として使用可能となることが判明した。コンポストの価値を高める爲に植物病原菌を抑制する物質を分泌するバチルスを接種したコンポストを作製した。接種したバチルスはコンポスト化の過程で増殖し、植物病原菌を抑制する作用をもつ付加価値の高いコンポスト製造法を確立した。コンポスト、土壌中の窒素量を有機態窒素として分析し、地力の指標をバイオマス窒素量として評価する方法の確立に成功した。コンポストを農業資材とする場合、ペレット化によって持続的な肥料効果、使用時の利便さが新たな付加価値として加わる。コンポストのペレット化にはバインダーが不可欠であるが、化学肥料をバインダーとすることで解決した。ペレット化コンポストは新たに肥料価値が付加され、農業資材として有用であった。コンポスト化装置設計基準作製のため、国内外で現在稼動中の装置を現地調査し、中小装置での問題点がその経済性と、コンポスト消費量にあることが明らかとなった。
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