研究課題/領域番号 |
63602524
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 強 京都大学, 農学部, 教授 (80021707)
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研究分担者 |
桜井 克年 京都大学, 農学部, 助手 (90192088)
久馬 一剛 京都大学, 農学部, 教授 (80027581)
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キーワード | 小規模汚水処理 / 間欠曝気法 / 鉄接触材 / 脱窒 / 脱リン / 汚泥の農地還元 |
研究概要 |
小規模汚水処理施設における安定した処理機能の向上と、窒素・リン同時除去のための新しい高次処理方式を確立することを目的として、回分式間欠曝気法による窒素除去と、鉄接触材を使用したリン除去を組み合わせた窒素・リン同時除去法について室内実験と現地試験を行い、その運転管理方法を明らかにするとともに、生成汚泥の性状と農地還元に当たっての課題について検討した。 1.窒素・リン同時除去に関する室内実験 長期的に安定したリン除去を行うためには曝気槽内の旋回流速が関係すると考えられたので、鉄接触材として鉄円板を侵漬して一定流速で回転させた炉、鉄板を引き上げるまでの2ケ月間にわかって98%のリン除去率が得られ、BOD、COD、窒素処理についても悪影響はとくに認められなかった。 2.窒素・リン同時除去に関する現地試験 現地施設としては滋賀県秦荘町常安寺の施設を用い、鉄接触材として鉄筋558本を侵漬した。処理水のBOD、T-N濃度は概ね10mg/l以下で、安定した処理が行われていた。T-P除去率については58年5月までは90%程度、6月以降は若干低下したが60〜80%で安定した処理が行われた。硝化、脱窒の進行はDO、ORPに密接に関係し、。DOが2〜4mg/l、ORPが50〜100mVの時、90%程度の窒素除去率が得られるが、この値は鉄筋侵漬によっても影響されないことが確かめられた。 3.汚泥の性状とトウモロコシに対する肥効試験 実施設においても鉄筋侵漬区では汚泥中のFe_2O_3、P_2O_5が増加し、鉄筋侵漬の効果が認められた。この汚泥を施用したトウモロコシの肥効試験では、生育量、収量とも無施用区に比べて著しく増大し、農地還元の優れた資材であると考えられた。
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