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1988 年度 実績報告書

省エネルギー型高選択的オレフィン分離剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63603508
研究機関筑波大学

研究代表者

小宮山 真  筑波大学, 物質工学系, 助教授 (50133096)

キーワードオレフィン / 分離剤 / 選択性 / 銅(I)イオン / 配位子
研究概要

エチレン、プロピレン、ブテン類などのオレフィンは、原油を原料に生産されるが、いずれも水素、窒素、種々などとの飽和炭化水素との混合ガスとして供給される。従って、混合ガスからオレフィンを省エネルギー的かつ効率的に分離する方法の開発は重要である。本研究では、混合ガスから少ない消費エネルギーでエチレン、プロピレン、ブテン類の各々を選択的に分離するための分離剤を開発することを目的とする。
今年度は、主としてエチレンとプロピレンの混合ガスよりエチレンのみを選択的に分離できる液状吸収剤ならびに固体吸着剤の開発を検討した。各種の置換ジアミンならびにトリアミンと塩化銅(I)から、均一かつ安定で、しかも大きなエチレン選択性を示す吸収液を開発することに、成功した。エチレン吸収の選択性(エチレン吸収量/プロピレン吸収量)は、ペンタプロピルジエチレントリアミンを用いた場合に最大で、12に達した。このように、2座配位子であるジアミンまたは3座配位子であるトリアミンを用いることにより銅(I)イオンの周囲の化学環境を厳密に制御し、オレフィン分子が銅(I)イオンに配位する際に配位子間に生じる立体反発の大きさに著しい差異を生じさせると、高いエチレン選択性を実現できることが明かとなった。また、-N(CH_3)-(CH_2)_2-N(CH_3)_2残基を導入したポリスチレン樹脂と塩化銅(I)から調製した吸着剤は、25℃、1atmで、エチレンをプロピレンの8.5倍吸着した。すなわち、均一系の吸収液で見出したのと同様に、配位子の構造をかた高くして銅(I)イオンの周囲を、より込み合うように分子設計することにより、プロピレンよりも優先的にエチレンを吸着させることに成功した。また、この吸着剤のエチレン吸着量はエタン吸着量の22倍であり、両者の混合ガスからエチレンを選択的に吸着する用途にも極めて有効である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Makoto,Komiyama: Angew.Makromol.Chem.156. 187-190 (1988)

  • [文献書誌] Makoto,Komiyama: Angew.Makromol.Chem.163. 195-198 (1988)

  • [文献書誌] N.Toshima: J.Macromol.Sci.-Chem.A25. 1349-1366 (1988)

  • [文献書誌] M.Komiyama: Chem.Eng.Technol.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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