研究課題/領域番号 |
63603509
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥原 敏夫 東京大学, 工学部, 助教授 (40133095)
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研究分担者 |
武 純一郎 東京大学, 工学部, 講師 (40011019)
御園生 誠 東京大学, 工学部, 教授 (20011059)
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キーワード | 多孔質層間化合物 / 合成ガス / ガソリン合成 / クラッキング / 酸性 |
研究概要 |
化石有機資源の有効利用を目指して、合成ガスを効率的に液状炭化水素へ変換する触媒の開発を目的とする。本研究では、(1)従来のRu担持モンリロナイト-Al_2O_3を化学修飾して、メタン生成を抑制すること、(2)モンモリロナイト層間化合物担体のクラッキング能力と選択性との関連を解明するため、長鎮炭化水素のクラッキングを検討した。 [1]金属担持法、混合触媒系の検討………これまでの、Ru担持法として、Ruアンミン錯体を用いたイオン交換法のかわりに、RuCl_3を用いた含浸透法を検討した。これにより、CO+H_2反応活性は大巾に向上したが、C_4C_<10>選択性は低下する傾向があった。非選択的なRu/SiO_2と担体であるMont-Al_2O_3を混合して用いたところ、高活性かつ高選択的であった。この結果は、CO+H_2反応で生成した炭化水素が担体酸点によるクラッキングを受けるためであり、クラッキングの選択性が重要であることを示唆している。 [2]メタン生成の抑制………Ru/SiO_2へのLiの添加は、メタン生成率を10%以下にまで抑制できることを見出した。このRu-Li/SiO_2とMont-Al_2O_3の混合触媒で反応を行なうと、メタンは9%、目的とするC_4〜C_<10>炭化水素は86%の高選択率で得られた。 [3]炭化水素のクラッキッグ・異性化反応の解析………生成物分布を支配する担体の二次的クラッキング・異性化をC_<12>(ウンデカン)等を原料として検討した結果、Mont-Al_2O_3がHY-ゼオライトに比べて、C_7C_9炭化水素の生成率が高いことが見出された。このことから、CO+H_2反応でC_4〜C_<10>炭化水素の生成率が高い理由は、一次生成物のC_<12>以上の炭化水素がとMont-Al_2O_3上で選択的なクラッキッグを受けるためであることと考えられる。
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