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1988 年度 実績報告書

強誘電性高分子超薄膜の機能設計と作成プロセスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 63604508
研究機関山形大学

研究代表者

大東 弘二  山形大学, 工学部, 教授 (90185372)

研究分担者 折原 勝男  山形大学, 工学部, 助教授 (90007021)
池田 進  山形大学, 工学部, 助教授 (30007025)
キーワード強誘電性高分子 / 高分子薄膜 / 光電変換膜 / 電荷移動錯体 / P(VDF-TrFE) / PVK-TNF / VK-TNF / ESR
研究概要

本研究は配向した強誘電性高分子の薄膜に生じる非対称の電場によって光による電子と正孔の分離を促進させ、光起電力あるいは光伝導特性の効率の高い光電変換素子を構築することを目的とする。この目的を実現するために、本年度は、(1)光による電子・正孔対を効率よく分離させる色素系の探索、(2)強誘電性高分子にドープされた電荷移動錯体の電子・正孔の分離効率の検討、(3)生体材料を用いた光電変換膜の作成、の研究を行ない次の結果を得た〔1〕 強誘電性高分子P(VDF-TrFE)にドープされたビニルカルバゾール(VK)とトリニトロフルオレノン(TNF)は低温において光照射するとVKから電子が放出され、TNFにトラップされることをESRを用いて明かとなった。この電子の発生効率はP(VDF-TrFE)膜を熱処理して結晶化させ、強誘電性を顕著に発現させることにより、著しく向上することがわかった。このような効果は、PMMA、PSなど非極性の高分子膜では見出されず、##よる電子-正孔の分離が強誘電性高分子の内部に存在する強い内部電場により促進されることが明らかになった。この知見は今後、効率の高い光電変膜の開発に重要である。〔II〕各種の電荷移動錯体の正孔と電子分離効率を調べた。上記の系で著じるしく高いが、PVK-TNF、PVK-クロラニル系も比較的大きい効率を持つことがわかった。〔III〕クロロフィル分子のLB膜を検討した。クロロフィルa-フィロキノン(ビタミンK_1)とステアリン酸の複合LB膜はX型膜であり、非対称 膜構造をもつ。この膜に低温で光照射すると電荷移動錯体と同様に電子・正孔によるESRが観測され、電子・正孔の分離が生じることが分かった。なお、上記〔I〕、〔II〕、〔III〕の系の薄膜は室温で光電流および光起電力が観測され、非対称膜で効率の高い電荷分離膜を設計するためのモデルとなり得ることがわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] H.Ohigashi: Reports on Progr.in Polymer Phys.Japan. 31. 161-164 (1988)

  • [文献書誌] H.Ohigashi: J.Polymer Sci.-Phys.Edition. 27. (1989)

  • [文献書誌] H.Ohigashi: Japan.J.Appl.Phys.27Suppl.(1988)

  • [文献書誌] S.Ikeda: J.Appl.Phys.64. 2026-2030 (1988)

  • [文献書誌] H.Ohigashi: Acoustical Imaging. 16. 521-533 (1988)

  • [文献書誌] S.Ikeda: Report.Progr.Polym.Phys.Japan. 31. 383-386 (1988)

  • [文献書誌] 大東弘二: "高機能性高分子材料" ミマツデータシステム, 267-306 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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