研究課題/領域番号 |
63604527
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
清水 勇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016522)
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研究分担者 |
半那 純一 東京工業大学, 工学部・像情報工学研究施設, 助教授 (00114885)
白井 肇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30206271)
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キーワード | ZnSe / ZnTe / 低温成膜 / ヘテロエピタキシャル成長 |
研究概要 |
プラズマ分解によって形成した原子状水素の化学反応性を利用し、ジエチル亜鉛(DEZn)、及びシエチルセレン(DESe)、あるいはDETeなど有機金属化合物を原料として、ZnSe、ZnTeの結晶膜の低温ヘテロエピタキシャル成長技術の基礎研究を行った。その結果、基板温度、200℃程度で、GaAs(100)結晶上に、ZnSe、ZnTe結晶のエピタキシャル成長を行うことができた。膜堆積に関する動力学解析より、両化合物いづれの場合においても、負の活性化エネルギーに示される特異な擬似平衡が形成されていることが明らかになり、低温成膜のための足掛を得ることができた。 また、異種基板上に堆積するヘテロエピタキシャル成長技術では、基板材料と目的とする薄膜の膨張係数の違いより、高い基板温度から冷却する際に格子歪みを生ずる。基板温度の低温化は、この格子歪みを出来るだけ少なくする意味でも大切であるが、ZnSe(ZnTe)/GaAs系における格子緩和過程について系統的に検討を加えた。その結果、ZnSe/GaAs系では、1μm厚以上までGaAs基板の格子定数に合致されたコヒーレント成長が観測され、基板温度の低減がその原因であることが分かった。また、格子定数の差の大きなZnTe/GaAs系においてはコヒーレント成長は認められず、この温度域でも格子緩和はすでに完了しているものと思われる。 さらに、点血陥制御のためには、II/VI原料比を変え、質量作用律による欠陥低減技術が必要となるので、II/VI原料比を1/2≦(II/VI)≦2の領域で変え成膜を行い、ヘテロエピタキシャル成長を確認した。その結果、II/VI<1の条件で自由励起子による発光の認められるZnSe薄膜が得られた。
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