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1988 年度 実績報告書

耐熱性をもつ複合触媒性酵素の開発と制御

研究課題

研究課題/領域番号 63604553
研究機関京都大学

研究代表者

左右田 健次  京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)

研究分担者 植村 栄  京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027069)
平沢 敏子  京都大学, 化学研究所, 教務職員
江崎 信芳  京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
谷沢 克行  京都大学, 化学研究所, 助手 (20133134)
田中 英彦  京都大学, 化学研究所, 助教授 (90065912)
キーワード耐熱性酵素 / 複合触媒能の付与 / ロイシン脱水素酵素 / NAD酵素 / 好熱性細菌
研究概要

本研究は酵素を単なる生体触媒から安定な高度機能性触媒に改変して、より広い応用面を開拓することを目的としている。まず好熱性最近Bacillus stearothermophilusの耐熱性ロイシン脱水素酵素の遺伝子のDNA配列を解析し、本酵素タンパク質の全一次構造を決定した。本酵素遺伝子はGC含量が高く、かつ各コドンの3文字目がGまたはCである割合が高いという耐熱性酵素の遺伝子に特徴的な構造をもっていた。一方、本酵素の1次構造を他の構造既知の脱水素酵素と比較することにより、捕酵素NAD結合領域(β-α-β構造)と相同性が極めて高い部分が見いだされた。また、グルタミン酸脱水素酵素の基質結合部位と類似したアミノ酸配列をもつ部位も認められた。これらの知見はアミノ酸残基置換により、本酵素の超耐熱性化や複合機能化を行う際に指針となるものである。次に、好熱性嫌気性菌Clostridium thermoaceticus中にもロイシン脱水素酵素性を認めたので、本酵素遺伝子をクローン化し、クローン株より精製した酵素は、もとの好熱性嫌気性菌の酵素と免疫学的に同一であり、アミノ酸配列、その他の酵素化学的性質はいずれも上記B.stearothermophilusの酵素のものと極めて類似していたが、耐熱性は約10℃程度高かった。これらの耐熱性ロイシン脱水素酵素を膜反応系に用いると約1ケ月間、87%の転換率で連続的にL-ロイシンを合成することができ、常温菌からの酵素に比して収量、コストなどの面ですぐれていた。すなわち、好熱性微生物が生産する酵素は、単に熱だけでなくタンパク質変性剤、有機溶媒、酸、アルカリなどにも高い安定性を示し、機能性材料として極めて有利な性質をもつことが判明した。今後、各種の好熱性微生物の耐熱性酵素を材料として、化学修飾やタンパク工学的手法を用いて、これらの有用酵素の超耐熱性化、複合触媒性化を試みる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nobuyoshi,Esaki: Biotechnol.Appl.Biochem.(1989)

  • [文献書誌] Masanori,Oka: Biotechnol.Appl.Biochem.(1989)

  • [文献書誌] Shinji,Nagata: Biochemie. 71. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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