研究課題/領域番号 |
63604567
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 広志 大阪大学, 工学部, 教授 (30028930)
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研究分担者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
角田 直人 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029200)
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キーワード | 高エネルギー電子線 / 電子線理工学 / アモルファス固体化 / 異種原子注入 / 電子線照射損傷 / 非平衡相形成 / 過飽和固溶体 / 新機能材料 / 新素材創生 / ノーベルプロセッシング |
研究概要 |
AI-T(Tは遷移金属元素でTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Mo、W、Auを用いた)系各種金属化合物について系統的に電子線照射誘起アモルファス固体化を調べた。これらのアモルファス固体化は、既に提案した周期律表上の位置に関する条件とともに、個々の結晶構造と互いに隣接する化合物間のなじみとによって決定される。ここでは、これら合金系の中で特に興味あるAI-Zr系合金とAl-Ni合金の2例を見出した。 まず、AI-Zr系合金では、AI_2ZrよりAIZr_2に至る8種の化合物は総てアモルファス固体化を起こしたが、それらの両端にある相ではアモルファス固体化を示さなかった。しかも、これらアモルファス固体化した組成範囲は、通常、信じられている谷の深い結晶点とは全く無関係であり、互いに隣接する化合物微粒子間の相互作用が重要であることを示唆している。これに対してAl-Ni系では、AI_3Niを電子線照射することにより隣接したAI_3Ni_2の微細な粒子が照射誘起で析出するが、それと同時にAI_3Niの地はアモルファス化する。この現象は、AI_3NiについてはNiを減少させることによって深い谷の共通点に近づくためにアモルファス固体化したことを示し、アモルファス固体化の機構を調べる上で大変興味深い。 また化合物を用いた異種原子注入については、AI中に化合物AISbを用いてSbを注入した結果、純金属を注入した時と同様にAI地内に余分に形成されたFrenkel対が格子歪の除去に重要な役割をすることが判明した。さらに注入によって地がアモルファス固体化する元素の注入速度が異常に速いことを見出し、異種原子注入機構を解明する糸口をつかんだ。 今後、上述の試料範囲をさらに拡げ、研究目的達成を計る。
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