研究課題
当研究班の本年度の目標は、昨年度の文献調査と資料分析を基に、理論的、実証的な比較研究を押し進めることであったが、研究者相互が随時に情報交換を行い、また、数次の研究合宿を重ねたことにより、共同研究としてきわめて充実した成果をあげている。中国、台湾、香港という地域的な比較はもとより、政治学、経済学、国際関係論、地域研究という様々なディシプリンによる方法論的な比較が試みられたことも大きな成果であろう、個々の研究会を列挙すれば、以下の通りである。第一回研究会(7月2日〜3日)では、井尻秀憲が「台湾の民主化と政治発展」、中嶋嶺雄が「台湾および香港の社会的・経済的発展とその将来展望」、と題する報告を行い参加者による活発な討議がなされた。第二回研究会(9月15日〜16日)では、尾上悦三が「台湾・香港の経済動向」、小島朋友が「沿海地区経済発展戦略と『国際大循環』経済」と題する報告を行い、熱心な討議がなされた。第三回研究会(12月3日〜4日)では、徳田教之が「台湾・中国民主化比較」、中兼和津次が「中国の工業化の可能性」と題して報告し、真剣な討議が行われた。第4回研究会(2月20日)は、A班・J班合同の研究会として催され他の計画研究班/公募研究班からも数名の参加者があり、きわめて実り多いものとなった。内容は、J班が先に季刊誌『レヴァイアサン』第3号(木鐸社、1988年秋)で公表した研究の中間成果をめぐる討議を中心とした。徳田教之が猪口孝論文に対する論評、井尻秀憲が若林正丈論文に対する論評、中嶋嶺雄が伊豆見元論文に対する論評、小島朋友が田中明彦論文に対する論評、中兼和津次が白石昌也論文に対する論評をそれぞれ行った。その後、参加者全員の有益な討論が行われた。
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