研究課題
最近注目を集めている東アジア経済の成長要因の一つに、これらの諸国が「儒教文化」の精神構造に支えられているという事実がある。「根まわし」「全会一致」「年功序列」「行政指導」「労使協調」など、東アジアの社会では、西洋社会にはみられない共通の仕組みが定着している。これらの仕組みからは、西洋社会の発展の原動力となった「競争原理」はでてこない。それとは対照的に、東アジア社会では、儒教の徳目に支えられた「協調原理」が社会の仕組みの原点となり、「非西洋的近代化」に成功を収めたのではないであろうか。このような問題提起に支えられて、本研究グループは各自の研究成果を公開シンポジウム「東アジアの経済発展と日本の役割」(昭和63年12月21日、中国電力ホール)において発表した。その詳細については、『国際経済研究』平成元年2月号および3月号(社団法人国際経済研究センター刊)に掲載されてある。さらに、本年度の研究の全成果を、単行書『東アジアの経済発展』(渓水社刊、平成元年11月予定)として出版契約が成立しており、現在、メンバー全員が執筆にあたっているところであるが、執筆分担は以下の通りである。金子敬生(東アジアの経済発展をどのような視点からとらえるか)仁平耕一(東アジアNIESの経済発展と日本の役割)陶 怡敏(東アジアNIESの経済発展と儒教文化)山下彰一(東南アジアの経済発展と日本企業の海外進出)厚母 浩(東南アジアの経済発展と日本の経済協力)片岡幸雄(中国の対外開放政策の展開)
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)