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1988 年度 実績報告書

基板表面の多光子吸収による原子・ラジカルの発生機構

研究課題

研究課題/領域番号 63606501
研究機関北海道大学

研究代表者

川崎 昌博  北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (70110723)

研究分担者 松見 豊  北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (30209605)
キーワードトリメチルガリウム / 表面光分解 / 光電子分光 / レーザー照射 / 多光子吸収 / 基板表面 / YAGレーザー
研究概要

本研究では基板表面に吸着したトリメチルガリウム(TMGa)のレーザ光分解の機構について光電子分光法(XPS)を用いて調べた。温度が77KのSi(111)面上にTMGaを吸着させた。C(Is)とGa(3d)のXPSの信号相対強度とTMGaの露出量の関係から、TMGaはSi上に均一に二次元層成長して物理吸着による多層膜を形成していると思われる。この吸着後、真空中で昇温したときのXPSスペクトルの変化によると、120K付近のC(IS)、Ga(3d)のピークのシフトおよび減少は多層物理吸着の一部が脱離したことを示してしる。さらに、270K以上になると両方の信号の半値幅は広くなって物理・化学吸着の両方がみられる。また、Ga(3d)は470Kあたりで低エネルギーへのシフトがみられる。このことはTMGaがSi表面上で分解しGa(CH_3)_2、GaCH_3、Gaなどが生成していることを示唆している。その一方、C(Is)の変化は顕著ではないが、半値幅が1.5eV(170Kの値)から2eV(270Kの値)に増加している。CH_2、CH、Cが一部生成しているのであろう。次に、光照射効果を調べた。77Kおよび室温でNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)を照射したところGaの強度の減少はみられたが、位置はそれほどシフトしなかった。一方、第四高調波(266nm)を室温のSi基板に照射したところ、信号強度の減少とピーク位置の低エネルギー側へのシフトがみられた。Ga(CH_3)_2または、GaCH_3を生成したと考えられる。266nm照射によるC(Is)位置のシフトがみられないのは光分解ではCH_2、CH、Cが生成せず炭素はCH_3のままで存在しているからである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Suzuki;K.Mori;M.Kawasaki;H.Sato: Journal of Applied Physics. 64. 371-374 (1988)

  • [文献書誌] T.OKa;K.Toya;K.Kasatani;M.Kawasaki;H.Sato: Chemistry Ietters. 1865-1869 (1988)

  • [文献書誌] K.Toya;M.Kawasaki;H.Sato: Japan Journal of Applied Physics. 27. 962-966 (1988)

  • [文献書誌] M.Kawasaki;H.Sato;N.Nishi: Journal of Applied Physics.

  • [文献書誌] Y.Matsumi;M.Kawasaki;T.Sato;T.Kinugawa;T.Arikawa: Chemical Physics Letters.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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