キラルなリチウムジアルキルアミド(1__〜)の不斉窒素を利用したプロキラルなケトン(2__〜)の不斉脱プロトン化反応を更に展開し、次の三種の不斉合成反応を開発した。# 1.ラセミのケトンの速度論的光学的分割((RS)-4__〜→(R)-6__〜+(S)-(4__〜) 2.不斉アルドール反応(ダ.ルツェン反応)によるグリシッド酸エステルの不斉合成(7__〜→9__〜) 3.不斉アルキル化(10__〜→12__〜) 1.の反応は置換基によっては効率がよく、(RS)-4__〜を用いるときはそのkR/kSは100以上になる。 2、3、の反応においては、アキラルなエノレートとアキラルな求電子試薬の間の反応が不斉的に進行している点に極めて興味がある。この結果は、有機合成反応に繁用されているジアルキルアミド型塩基の反応にさらに一般的に拡張できる可能性があり、現在検討中である。
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