研究課題/領域番号 |
63608009
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
白井 克彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063702)
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研究分担者 |
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (20139512)
小林 哲則 法政大学, 工学部, 助教授 (30162001)
伊福部 達 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (70002102)
柳田 益造 郵政省通信総合研究所, 通信技術部, 室長 (00116120)
中島 隆之 電子技術総合研究所, パターン情報部, 部長
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キーワード | 音声特徴抽出 / 相互情報量 / PSE分析 / 調音パラメータ / 人工内耳 / 数量化理論 |
研究概要 |
本年度は、(1)相互情報量に基づく音韻性抽出、(2)非定常態を対象とした特徴抽出、(3)生成モデルに基づいた特徴抽出、(4)聴覚における時系列信号の特徴抽出、(5)音響的特徴の音韻環境依存性、(6)深い意味理解に必要な音響的特徴の抽出精度、の6点をテーマとして研究を行なった。 (1)では、個々のフレームにおける音響的情報を多角的に把握し、それらを用いて音韻コンテキストを考慮した音韻性の特徴抽出を実現するために、特徴量相互の情報量を基準とした音韻性抽出手法について検討した。ここでは、複数の音響的特徴量を階層的に用いることにより、音響的類似性に基づいた分類、時系列的な出現パタンによる分類を行い、音韻性の記述は、まずフレーム単位に音韻候補及びその確からしさを示しさらに確実性のある音韻候補情報を用いて不確実な音韻候補の修正を行うことで実現した。 (2)では、有声音を対象として、非定常波形の分析・特徴抽出を行なう構造モデルについて検討した。二連インパルス応答からなる非定常波形にPSE分析を適用したとき現われるFMスペクトルにスペクトル(ホルマント)の変化の方向性の情報が折り込まれていることが示された。 (3)では、AbS型の調音パラメタ推定法を対象としてアルゴリズムの並列化を行なった。 (4)では、人工内耳の基礎研究から、モルモットおよび重度難聴者の聴神経における時系列刺激の応答を調べ、人工喉頭の基礎研究から母音波形のゆらぎが音声の自然性にどのように寄与しているかを明確にした。 (5)では、音響的特徴量が前後の音韻コンテキストから受ける影響について、数量化理論を非線形に拡張したモデルを用いて検討した。 (6)では、地口の解釈を含む「深い意味理解」を実現するという高度な枠組みの中で必要とされる音響的特徴の抽出精度について検討した。
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