燃焼反応する気体の運動を解析するための計算機プログラムを、燃焼モードがデフラグレーション、デトネーションのいずれの場合にも解くことのできることを目標に開発した。そのために必要な主な課題は次の点であった。 1.燃焼反応の速度、領域の変化に自動的に対応することのできる解適合差分格子をつくるアルゴリズムの開発。 2.燃焼反応の適切なモデル化。 3.輸送効果の適切なモデル化。特に拡散方程式の近似をどのようにしたら十分であるかの検討。 まず、解適合格子生成のコンピューター・プログラムを開発し、いくつかの例で試した結果、その有効性を確認することができた。しかし、ベクトル化のチューニングがまだ十分とはいえない。燃焼反応モデルとしては一ないし二段階反応では特にデフラグレーションに対して不十分な近似と考えられ、四段階反応を検討した。輸送係数の温度依存性を考慮しても計算時間をそれ程大きくしない。しかし拡散方程式を厳密に解くことは著しく計算時間を大きくするので適当な近似式を導いて使用することにした。いずれもまだ不十分な点、すなわちさまざまな条件下で適切な近似となっているか、ベクトル化がうまくなされているか、などを残してはいるが基本的には解決できたので、研究課題のテーマである斜めの緩衝波によってデトネーションを形成させる問題をシミュレーションした。その結果、斜め緩衝波でデトネーションを保持することの可能性を示すことができた。
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