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1988 年度 実績報告書

染色体の複製機構

研究課題

研究課題/領域番号 63615003
研究機関大阪大学

研究代表者

吉川 寛  大阪大学, 医学部, 教授 (70019876)

研究分担者 花岡 文雄  東京大学, 薬学部, 助教授 (50012670)
安田 成一  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教授 (90037250)
岡崎 恒子  名古屋大学, 理学部, 教授 (10022584)
山口 和男  金沢大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (00019879)
小笠原 直毅  大阪大学, 医学部, 講師 (10110553)
キーワード染色体の複製 / DnaA蛋白 / c-myc / 複製開始蛋白
研究概要

昨年に引き続き、複続の制御の鍵を握っている複製開始反応の分子機構について、全生物に普遍的な原理と個々の種に固有の多様性を明らかにすることを目的に、細菌プラスミド、細菌染色体、ほ乳類染色体、動植物ウイルスを対象に総合的な研究を行った。本年度の主な結果は以下の通りである。
1.プラスミドでは開始の分子機構の全体像と開始の調節を担う実体の解明がin vivoとin vitroを対比させながら進展した。特にプラスミド毎に固有の開始蛋白に加えて、大腸菌の染色体の複製に必須な開始蛋白(DnaA)及び他の宿主由来の因子が開始に関与していることが新しく発見された(山口,犬塚)。
2.染色体複製開始蛋白DnaAとそれが結合する制御DNA配列が4種類の真性細菌に普遍的に存在することを発見し、DnaA蛋白と制御配列の相互作用が染色体複製開始における基本的な反応であることを明らかにした(吉川、小笠原)。また大腸菌ではin vitroの複製系を用いて、複製開始点領域の転写の役割とそれに対する各種蛋白質因子の効果を初めて証明する(岡崎)と共に、脂質因子が開始を阻害するという興味ある発見(安田)があった。この様に細菌染色体の複製開始と制御に関与する分子実体の理解は顕著な進展を見た。
3.原核生物で得られた知見と方法を適用して、ほ乳類染色体の複製開始点と開始蛋白の同定、及び複製装置を構成する蛋白因子の同定と分離の研究が進展した。(有賀)はc-myc依存性の複製開始点の構造と、c-mycの複製促進機能を証明すると共に、開始点を含むプラスミドをマウス個体に導入して安定に維持・伝達することに成功した。(花岡)は複製装置を構成する酵素群を分離・精製し、複製変異マウス細胞の分離にも成功し、in vitro複製系の確立の準備を順調に進展させた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Andrup,L.: Journal of Bacteriology. 170. 1333-1338 (1988)

  • [文献書誌] Moriya,S.: The EMBO journal. 7. 2911-2917 (1988)

  • [文献書誌] Fujita,M.: Molecular and General Genetics. (1989)

  • [文献書誌] Nozaki,N.: Journal of Biological Chemistry. 263. 14176-14183 (1988)

  • [文献書誌] Yoda,K.: Nucleic Acids Research. 16. 6531-6546 (1988)

  • [文献書誌] Sugimoto,K.: Molecular and General Genetics. 211. 400-406 (1988)

  • [文献書誌] Tabata,S.: Journal of Bacteriology. (1989)

  • [文献書誌] Takahashi,M.: Molecular and cellular Biology. 8. 347-352 (1988)

  • [文献書誌] Eki,T.: Archieves of Biochemistry and Biophysics. 260. 552-560 (1988)

  • [文献書誌] Seki,M.: Biohemistry. 27. 1766-1771 (1988)

  • [文献書誌] Matsumoto,K.: Journal of Biochemistry. (1989)

  • [文献書誌] Ochiya,T.: Proceedings of the National Academy of Sciences,USA. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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