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1988 年度 実績報告書

微生物における有用遺伝子の効率的発現

研究課題

研究課題/領域番号 63616006
研究機関山口大学

研究代表者

中澤 淳  山口大学, 医学部, 教授 (90025594)

研究分担者 福井 作蔵  福山大学, 工学部, 教授 (60013299)
上領 達之  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50025649)
藤田 泰太郎  福山大学, 工学部, 助教授 (40115506)
堀内 忠郎  九州大学, 薬学部, 教授 (10037567)
品川 日出夫  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (40029799)
キーワード微生物 / 転写調節 / 正の調節 / 誘導合成 / シグマ因子 / シス作動性
研究概要

遺伝子の転写調節については、従来大腸菌乳糖代謝系に代表されるように、転写開始を抑制するリプレッサーによる負の調節の図式が一般化していた。しかし、最近では動物遺伝子をはじめ、微生物の遺伝子においても、転写を促進するアクチベーター蛋白の存在が明らかになってきた。このような正の転写調節の分子機構が解明できると、これを利用した発現ベクターの作成への道も開かれ、有用遺伝子の効率的発現に応用することができるようになるものと思われる。
本研究では、大腸菌リン酸代謝系のphoB蛋白、シュードモナスの芳香族化合物分解系のxylR蛋白、ColIbプラスミド複製開始におけるrepY因子などのアクチベーター蛋白をとりあげた。
その中で、シュードモナスのxylR蛋白は次のような極めてユニークな性質をもつことが明らかになった。まず、転写を司るRNAポリメラーゼは、通常のシグマ因子(σ^<70>)ではなく、σ^<60>(NtrA蛋白)を使用する。そのため、プロモーターの塩基配列が、通常の-35、-10の共通配列とは全く異る、-24、-12の共通配列を利用する。次に、DNA上のxylR蛋白の結合領域は、転写開始点の150塩基対上流に、離れて存在し、遠隔作用によるシス作動性の活性化の様式をとる。さらに、xylR蛋白は、これまでにσ^<60>を使用することが明らかになっているNtrC蛋白、NifA蛋白との共通のアミノ酸配列をもつことから、蛋白質のこの領域がσ^<60>をもつRNAポリメラーゼと相互作用を営むことが考えられる。
以上の成績から、xylR蛋白は作用点においてDNAの大きな構造変化を伴いつつ、転写の開始を促進するという可能性があり、この系が正の転写調節の分子機構解明に大いに役立つものであることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Inouye: Gene. 66. 301-306 (1988)

  • [文献書誌] K.Makino: J.Mol.Biol.203. 85-95 (1988)

  • [文献書誌] Y.Miwa: J.Biol.Chem.263. 13252-13257 (1988)

  • [文献書誌] T.Kamiryo: Yeast. 4. S277 (1988)

  • [文献書誌] T.Kamiryo: Agric.Biol.Chem.53. 179-186 (1988)

  • [文献書誌] R.Akada: Agric.Biol.Chem.61. 1211-1215 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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