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1988 年度 実績報告書

黄色ブドウ球菌スタフィロコアグラーゼのタンパク質工学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63616512
研究機関九州大学

研究代表者

岩永 貞昭  九州大学, 理学部, 教授 (90029942)

研究分担者 川畑 俊一郎  九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
宮田 敏行  九州大学, 理学部, 助手 (90183970)
キーワードSC遺伝子 / プロスロンビン / 黄色ブドウ球菌 / 塩基配列
研究概要

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の産生するスタフィロコアグラーゼ(SC)はヒトプロスロンビンと特異的に1:1の分子複合体を形成する。この複合体はスロンビン活性を示し、血漿を瞬時に凝固させるが、こうした分子複合体形成を介してのプロスロンビン活性化機序をタンパク質工学の手法を用いて解明する一歩として、S.aureus213株のSE遺伝子をクローン化し、その全塩基配列を決定した。昭和62年度、クローン化したBB株のSC遺伝子を用いて、その5'flanking region 148baseを含む遺伝子の5'側計1518 baseをプローブとした。先ず、制限酵素DralとMoblにより213株のゲノムDNAを消化、次いでサザンブロッティングでSC遺伝子をクローン化した。Dral断片1.2kbとMboI断片2.1kbのクローンをプラスミドベクターpUC18に組み込んでdideoxy法によるSequence解析を行った結果、遺伝子の5'flanking region 95 baseとcoding region 1974 base,3' flanking region 837 baseが決定できた。
BB株のSCには、そのcoding region の3'未満に81baseからなるくり返し配列が8回存在し、相互に78%以上のホモロジーをもち、かつそれらはタンデム状に並んでいる。213株のSCの場合も同程度のホモロジーをもつくり返し配列が、6回見い出された。菌株が異なっても高いホモロジーを示すことから、このタンデムレピートはSCの未だ知られていない何らかの機能に関連した構造領域と推定される。一方、プロスロンビンの相互作用に直接働いているSCのNH_2末端側の326アミノ酸残基は、BB株と213株の間で57%のホモロジーを示した。特にNH_2末領域14残基は、両者とも全く同じ配列であり、この構造がプロスロンビン活性化に要求される領域と考えられた。
現在、改変タンパク質を生産し、ヒトプロスロンビンとの相互作用に必須な部位を同定しつつある。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kawabata,S.: J.Protein Chemistry. 6. 17-32 (1987)

  • [文献書誌] Kaida,S.: J.Biochem.102. 1177-1186 (1987)

  • [文献書誌] Kaida,S.: J.Biochem.7. (1989)

  • [文献書誌] Morita.T.: J.Biochem.104. 367-374 (1988)

  • [文献書誌] Takeya.H.: J.Biol.Chem.263. 14868-14877 (1988)

  • [文献書誌] Hase,S.: J.Biochem.104. 878-880 (1988)

  • [文献書誌] 岩永貞昭 編集: "ビタミンK:医学・生物学領域における新展開" メディカル・ジャーナル社, 1-332 (1988)

  • [文献書誌] 川畑俊一郎、岩永貞昭: "カルシウムイオンと細胞機能" 共立出版, 2276-2282 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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