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1988 年度 実績報告書

H、K-ATPaseの高次構造

研究課題

研究課題/領域番号 63617504
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

竹口 紀晃  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00019126)

研究分担者 浅野 信司  富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90167891)
森井 孫俊  富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (60019130)
キーワードH、K-ATPase / オメプラゾール / 胃酸分泌 / Cl^-チャネル
研究概要

胃腺によるH^+の分泌はH、K-ATPaseによる。この酵素のアミノ酸一次配列は既に明らかになっている。ATP結合部位、リン酸化部位におけるアミノ酸一次配列はNa、K-ATPaseやCa^<2+>-ATPaseのものとほとんど一致している。しかし、N末端やC末端におけるアミノ酸配列はかなり異なっており、その機能の違いを反映している。この一次構造の違いに基づく高次構造が、「H^+とK^+のアンチポート機能」及び我々が既に明らかにした「H^+、K^+-ATPaseの一部にCL^-チャネル機能も備わっていること(J.Biol.Chem.1987)を可能ならしめている。しかし、現在までのところH、K-ATPaseの高次構造についてはいくつかの仮定的推論があるのみで、実体としてはほとんど捉えられていない。従って本研究では、複数の機能的単クローン抗体を開発し、その高次構造確認部位を明らかにして、これを高次構造プローブとして利用することでH、K-ATPaseの高次構造及びそのイオン能動輸送機序の解明をめざした。
ブタ胃H、K-ATPaseを抗原として、単クローン抗体HK2032、HK4001、HK4008、HK4009、HK4013といった、種々の機能修飾性の抗体を得た。HK4001は胃H、K-ATPaseの酵素活性を100%阻害した。抗体1分子がH、K-ATPaseのサブユニット2個を失活させた。このような高効率の阻害活性を有する抗体は、Na、K-ATPaseにおいても知られていない。この抗体はH^+認識部位の高次構造を修飾するとの結果が得られている。この抗体を化学修飾すると、H^+のかわりにCa^<2+>を認識するように変化するという興味深い事実が得られた。他の抗体についても、それぞれ酵素機能を修飾する能力が高い。特にHK4009はCl^-チャネルに特異的に結合する。今後これらの抗体を使った仕事を進めれば、H、K-ATPaseの機構解明は大いに進展することが期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shinji,Asano: Journal of Biochemistry (Tokyo). 103. 672-677 (1988)

  • [文献書誌] Hidenori,Sakai: Pflugers Archieves (European Journal of Physiology). (1989)

  • [文献書誌] Magotoshi,Morii: Gastroenterology. (1989)

  • [文献書誌] Tadashi,Kashiwagura: American Journal of Physiology.

  • [文献書誌] Noriaki,Takeguchi: "Energy Transduction" Yamada Science Foundation, 451-454 (1988)

  • [文献書誌] 竹口紀晃: "胃" 南江堂, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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