「ホモロガスな蛋白質は、ホモロガスな高次構造を持つ」ことを指標に高次構造相似度検索電算機プログラムを用いて比較蛋白質間の全アミノ酸対の相関度を数値化したマトリックスを解析することによってシクエンスホモロジーを導く調査が続けられ、本プロジェクトに供された。1.眞正細菌、クロロプラスト、"古細菌"、二種酵母の大亜粒子rRNA結合リボソーム蛋白相同種が調査され、その相同ヶ所の配列から、核移入シグナルを伴った眞核化構築への分子上の変遷を明示した。2.細菌型フェドキシン27種の調査では、3アミノ酸からなる連結配列の存在を導き、これが26アミノ酸配列の倍増幅の中央に位置する分子構造を明示したが、植物型フェレドキシン34種との総合的解析によると植物型フェレドキシンは、連結配列部位等の高度保存部位が指標となって、細菌型分子の培増副の進化的事象によって生じた事を導いた。3.リボソーム蛋白質EL7/12相当種は眞正細菌、"古細菌"、眞核生物を通して多くの配列報告が有り、本解析方の素材として早くから取り上げられてきたが、この一二年で有効な生物種の配列報告が急増した為、更に調査が進められたところ、蛋白質固有の"保存単位"の存在を示すところとなったが、EL7の球状と一端フラグメントの結〓解析の詳細と照らすと、構造、機能単位に相当することが分った。蛋白進化の過程では構造、機能単位が保存されやすいとの一般概念が初めて具体的に裏付けされたものである。この保守性に対照的に、眞核化に当っては積極的進化的飛躍を必要とした。即ち必須であったトランスポジション事象は上の保守的一般ルールに抗したドラスチックな事象であったことを導いた。4.酵母及びH.halobiumのリボソーム蛋白質遺伝子解析が行われ、その遺伝子構成及び相同蛋白種との比較本解析の所見が進化的に考察され本プロジェクトに資料を提供した。
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