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1988 年度 実績報告書

ヒト遺伝子DNAのメダカへの導入

研究課題

研究課題/領域番号 63619502
研究機関京都大学

研究代表者

尾里 建二郎  京都大学, 教養部 (90026790)

研究分担者 若松 佑子  京都大学, 教養部, 助教授 (20026800)
キーワード魚類 / 遺伝子導入 / メダカ / マイクロインジェクション / ヒトDNA / クリスタリン遺伝子
研究概要

1.ニワトリδ-クリスタリン遺伝子のメダカへの導入
魚類個体に外来遺伝子を導入する技術はいまだ完成されたものがない。ヒト遺伝子を導入する実験に入る前の予備段階として、メダカにニワトリδ-クリスタリン遺伝子を導入する実験を前年度に引き続き行なった。特に今年度は遺伝子を注入した時に見られる発生異常の胚について研究を行なった。メダカの卵母細胞にニワトリのδ-クリスタリン遺伝子を注入すると、1日後まで生存した胚の約20%に発生の異常が見られる。これらの異常胚14個について導入遺伝子の発現を免疫組織学的に調べたところ、驚くべきことにすべての胚で発現が見られた。14個の胚のうち1個は形態形成が見られない不定胚であったが、脊索の細胞だけが分化しており、そこだけにδ-クリスタリンが検出された。残りの13個の胚はさまざまな程度で矮小であったが、脊索だけはよく発達していた。δ-クリスタリンはこの脊索でもっとも顕著に検出された。このことからδ-クリスタリン遺伝子の発現は脊索の細胞分化にともなう何らかの要因によっていることが考えられた。この遺伝子はもともと脊索で発現するはずのない遺伝子であることから、これに関与している要因は細胞分化一般に共通のものではないかと考えられた。水晶体は10個の胚に発生したが4個に発現が見られた。この発現が水晶体に特異なものか、脊索でのものと共通性があるのかは今後の問題である。
2.ヒトがん遺伝子のメダカへの導入
rasやmyc遺伝子を卵母細胞に注入した胚について遺伝子の導入と発現を調べている。注入胚の発生を調べて見るとmycの場合では正常胚が比較的多いのにくらべ、rasの場合には発生異常が著しかった。この発生異常が遺伝子の導入と発現とどのように関連しているかに注目して実験を継続中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Inoue: Cell Differentiation. 印刷中. (1989)

  • [文献書誌] K.Ozato: Zool.Sci.印刷中. (1989)

  • [文献書誌] 尾里建二郎: 遺伝. 42(7). 12-16 (1988)

  • [文献書誌] 村松喬 他編: "トランスジェニックバイオロジー" 講談社, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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