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1988 年度 実績報告書

培養胚性未分化細胞を用いる内在遺伝子機能欠損マウスの作成

研究課題

研究課題/領域番号 63619509
研究機関理化学研究所

研究代表者

相沢 慎一  理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 副主任研究員 (60073011)

キーワードES細胞 / キメラマウス / トランスジェニックマウス
研究概要

マウス受精卵へのDNA注入によるトランスジェニックマウス作成法に比し、培養胚性未分化細胞を用いる系には、培養下では選別ができるなどの利点があり、発生過程で致死的であると想定される遺伝子の働きの解明、相同的組替えにより内在遺伝子を不活化させたマウスの作成に利点があると期待されている。しかし、この方法は未だ変異マウス作成法として一般的に確立していない。
昭和62年度に我々は、4日胚よりのES細胞の培養とキメラマウス、子孫マウスの作成に付いて検討し、報告した(J.Cell.Physiol.,133:197(1987))。 用いた培養条件下でES細胞の核型は必ずしも安定でなく・頻度が低いという問題点を有しながらも、ES細胞よりの子孫を得ることができた。
本年度はまず、HPRT遺伝子座の欠損、res,myc,SV40 T遺伝子導入などの遺伝的修飾を行ったES細胞に付いて、キメラマウス・子孫マウス作成を検討した。その結果これらのES細胞も親細胞と同様にキメラマウスを生じ、行った遺伝的修飾はES細胞の正常発生・分化の環境下での正常な分化能に影響を与えないことが明らかとなった。しかしこれらの遺伝的修飾を行ったES細胞由来のキメラマウスからは、ES細胞に由来する子孫マウスを得ることはできなかった。この結果はやはり用いた培養条件下でのES細胞の核型の不安定さと対応していると考えられる。
そこで上記の検討と平行して、ES細胞培養の条件に付いていくつかの検討を行った。その結果BRL馴化培地の添加、16日胚由来の初代培養細胞の栄養細胞としての使用その他のより、ES細胞を比較的安定に培養できることが明らかとなり、予備的ではあるが高頻度にES細胞由来の子孫マウスを得ることができた。現在このような条件下で、相同的組替えを利用した内在遺伝子欠損マウスの作成を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suda,Y.;Hirai,S.;Suzuki,M.;Ikawa,Y.;Aizawa,S.: Experimental Cell Research. 178. 98-113 (1988)

  • [文献書誌] Furuta,Y.;Aizawa,S. et al.: Journal of Virology. (1989)

  • [文献書誌] 徳久 剛,幡野雅彦,相沢慎一: Annual Review 免疫 1988. 334-340 (1988)

  • [文献書誌] 相沢慎一: がん遺伝子研究:最近の進歩. 147-153 (1988)

  • [文献書誌] 相沢慎一: 実験医学. 6. 27-33 (1988)

  • [文献書誌] 相沢慎一: トランスジェニック・バイオロジー. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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