研究課題/領域番号 |
63620512
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60161551)
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研究分担者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
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キーワード | HLA / 遺伝子発現 / 組織特異性 / サイトカイン / インターフェロン / TNF / CTF |
研究概要 |
B細胞株、活性化T細胞株、T細胞株、線維芽細胞株などヒト由来の種々の細胞株ならびに末梢血リンパ救を用いたFAcs、ノザーン-ブロット解析を行なった。HLA-DQ分子はDR分子に比して、恒常的発現、γインターフェロンによる発現いずれの場合にも発現量が低かった。DQαはDRαの5〜10%、DQβはDRβの20〜30%しか発現せず、転写レベルでの遺伝子特異的発現調節が認められた。γインターフェロン誘導性発現に対するTNFα、IL-b、INFα、β等のサイトカインの効果もDR、DQそれぞれα、β遺伝子毎に異なっていた。この発現量の差ならびにサイトカイン反応性の差をもたらす要素を同定するためにHLA-DW12ハプロタイプよりそれぞれの遺伝子を単離しプロモーター領域の塩基配列を比較したところ、各遺伝子とも上流-300 N-100領域にのみ相同性の高い領域が認められたため、この領域が組織特異的発現に関与すると推定された。種々の細胞株より核抽出液を調整しゲルシフト法、フットプリント法を行なった結果、全ての細胞株よりY60X結合核蛋白が検出された。結合競合実験から、Y60X結合核蛋白はCTFに類似していると推定されたが、サウスウエスタン、ブロッティングから、細胞株毎に大きさの異なる核蛋白群により構成されると考えられた。DQα遺伝子ではY60X内に1塩基置換が存在するが、このためY60X結合核蛋白への親和性が低かった。このことがDQαがDαに比して低い発現を示す要因の1つと考えられた。W-X60X領域では、B、T線維芽細胞それぞれにおいて、異なった核蛋白が結合することがフットプリント法によって示された。またCAT融合遺伝子を用いた解析から、組織特異的発現、インターフェロン誘導性にはDRα、DQα、DQβそれぞれ250bp、400bp、450bpで充分であることがわかった。また同領域はTNFα反応性も同等に規定していた。
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