研究課題/領域番号 |
63622003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
駒嶺 穆 東北大学, 理学部, 教授 (90011494)
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研究分担者 |
長田 敏行 基礎生物学研究所, 助教授 (10012519)
堀田 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30190218)
岡田 吉美 東京大学, 理学部, 教授 (30011703)
渡辺 昭 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023471)
谷藤 茂行 北海道大学, 理学部, 教授 (50000774)
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キーワード | 全能性 / 遺伝子発現 / トランスジェニック植物 / 脱分化 / 増殖 / 分化 / 不定胚形成 / 種子形成 / 老化 |
研究概要 |
計画研究「全能性発現の分子機構」では、公募研究の研究者を加え、脱分化、増殖、分化、種子形成、発芽、老化の各段階に特異的なマーカータンパクとそのmRNAの同定とcDNAのクローン化が進み、そのいくつかは完了して、遺伝子の単離と構造解析が成功した。タバコ葉肉細胞からのプロトプラストの脱分過程に特異的に発現するcDNAが単離された。ニンジン単細胞からの不定胚形成は全能性発現のモデル系と考えられるが、この過程に特異的なタンパクの同定がなされ、機能の解析が進められている。Riプラスミドの持つ器官形成に影響を与える遺伝子のクローニングもなされ、トロランスジェニック植物を用いた実験が開始された。またマイクロインジェクション法、エレクトロボレーション法、Agro-bacteriumのプラスミドをベクターにする方法などの遺伝子導入の技術も確立された。計画研究「研究全性の基礎となる遺伝子構造とその発現の解析」でも、公募研究の研究者を加えは、コムギヒストン遺伝子、イネのグルテリン遺伝子、サツマイモのスポラミン遺伝子では、すでにcis配列が同定され、前二者ではtrans因子も得られている。されにダイズグリシン遺伝子、TMVおよびそのcDNAの発現調節機構の研究も進んでいる。このように全能性の発現現場から遺伝子へ、遺伝子の構造解析から全能性の機構の解明へと異なる二つのアプローチの研究の連携が進んでいる。総括班としては次の活動を行なった。1)総括班会議を、全メンバーの成果発表と同時におこない、計画の立案と評価と助言を得た。2)公開シンポジウム「トランスジェニック植物」を開催した。3)主に班員の研究室に所属する若手研究者を対象にワークショップを開き、諸問題点を徹底的に討論した。これは研究の緊密な交流と推進に大きく貢献した。4)コミュニケーションを発行すると共に、63年度の成果報告(134ページ)を発行して関係者に配布した。
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