特発性心筋症、特にその遺伝子の強いものの実体にせまる為にもっともふさわしい実験動物といわれているジストロフィーハムスターを用いて心筋症発症の病因を探ることを考えた。一方最近問題になっているしかも遺伝子レベルの成因が解明されたデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因欠損蛋白質であるジストロフィンの抗体をめぐって多くの議論がなされている。 ジストロフィーハムスター14.6(BIO)とコントロール心筋の発症強度、弱度についてそれぞれ心筋をミクロゾーム分画、ミオシンB分画、細胞骨格分画に分けた。これら一部は0.1%トライトンメ100処理を行い可溶化分画をとった。これらと共にミトコンドリア分画面もとった。これらをSDSPAGEを行いウェスタンブロットしてメンブラン標本とした。一方5〜6%ゲルを作製200KD以上の分子量蛋白についても存在様式を確かめた。 コントロールとジストロフィー心筋のSDSPAGE上の差はミクロゾーム、細胞骨格、ミトコンドリア分画にはみられたが、ミオシンB分画にはほとんどみられなかった。上記3分画にみられた差はむしろコントロールに存在しない分画が心筋症でふえていることが多かった。200KD以上の高分子でははじめにカゼインを加えて蛋白分解酵素のサブストレイトとし分解を防がないと非常に分解し易かった。ミオシンB、細胞骨格分画にコントロールと心筋症間の差がみとめられたので今後も追求していきたい。 一方ジストロフィン配列をもとにN端から4分の1ですでに抗体をつくったが、こゝはくり返し配列なので、C端の20残基にリジン枝をつけるフォークメソッドで現在抗体作製中である。C端は唯一のジストロフィンユニーク配列である。
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