研究課題
「都市の内部ネットワーク」を研究課題とするE班は、63年度中に研究会および研究打ち合わせ会をそれぞれ3回ずつ開催した。第1回目の研究会は、「任侠、無頼の世界」をテーマとし、中国、イスラム、ヨーロッパ世界のアウトローについて比較検討した。第2回は、D、E、F、S班の合同研究会であり、ここでは都市社会の基本単位である街区(ハーラあるいはマハッラ)について集中的な討論が行なわれた。第3回は、『イスラム都市』と題するアラビア語の著書を読む読書会でありこの書の内容紹介とそれにもとづく意見の交換がなされた。また研究打ち合わせ会では、研究分担者相互の情報交換を行うと共に、都市の内部ネットワークについての研究をどのように進めていくべきかが討論された。結論だけを要約すれば、人口の集中、街区の構成、神秘主義教団と職人組織との関係、祭と都市生活などE班として取りあげるべき問題は数多くあるが、個々のテーマを扱いながらも常に「都市」あるいは「都市性」とは何かを問うことの重要性が確認された。これは来年度以降の研究活動に生かされるはずである。都市研究をすすめるためには、関連図書を利用することが不可欠である。E班では研究分担者から必要文献のリストの提出を求め、これにもとづいて若干の図書資料を購入した。内訳は、アラブ、イラン、トルコ世界の都市関連図書がそれぞれ約20点づつとなっている。なお、提出された文献リストは、現在パーソナル・コンピューターによって入力中である。
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