研究課題/領域番号 |
63629508
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
渡辺 正 東京情報大学, 経営情報学部, 助教授 (20030786)
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研究分担者 |
戎 健男 神戸大学, 理学部, 助手 (50090543)
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キーワード | 低温粒子検出器 / 暗黒物質 / 準安定超伝導体 / superheated superconducting granule / マイスナー効果 / 相転移 / 転移時間 / 転移波形 |
研究概要 |
超伝導金属粒子系を標的部として、極低温で働く素粒子検出器の開発研究を行った。これは、近い将来、宇宙由来素粒子・暗黒物質の検出を試みることを狙ったものである。良好な球状表面をもつ金属微粒子(1〜300μm)は、一定の温度・磁場のもとで、熱力学的に準安定な超伝導状態にあり、適量な刺激を与え常伝導状態へ相転移させることが可能である。その際、マイスナーの「磁束排除現象」が破れ、検出コイルに誘導される起電力が信号となる。刺激としては熱的、磁気的二つの種類が可能で、飛来粒子を選別検出する機能としても有用である。 本年度は主に、標的部を構成する錫の球形粒子(粒径100〜300μm)の特性を、液体^<4He>の温度領域(2〜3K)で調べ基礎データを蓄積した。 1.高純度の錫粒子の磁化測定を行い、準安定状態を実験的に確認するとともに、粒径毎に温度-磁場相図を完成し、超伝導微粒子の相転移の動作領域を確定した。 2.刺激として外部磁場を準安定臨界値以上に増強し、錫粒子の相転移を誘導する。粒子毎にその信号波形の観測を行い、転移完遂に要する時間、信号起電力の大きさなどのデータを集積した。解析を終了し、現在、報告論文の作成中である。 3.同様に、放射線源^<241Am>を用いてα腺を照射し、熱的に相転移する錫粒子の信号波形の観測を粒子毎に行った。線源からの距離と印加磁場との関係、転移の所要時間、信号起電力の大きさなどのデータを得た。さらに実験値の精密化を図っている。 4.以上の実験結果を踏まえ、現在、検出標的部および(数チャネル)×(数チャネル)の信号読み出し回路を製作中。そのソフト開発はほぼ終了。以上
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