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1988 年度 実績報告書

強い電子相関をもつ系の超伝導に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63631507
研究機関東北大学

研究代表者

伊沢 義雅  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10006265)

研究分担者 海老沢 丕道  東北大学, 工学部, 助教授 (90005439)
前川 禎通  名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
キーワード電子相関 / 高温超伝導 / 混成軌道 / atomic operator / 2時間グリーン関数 / 超交換相互作用 / シングレット / トリプレット
研究概要

我々の研究の目的は、強い電子相関を持つ系における高温超伝導の発生機構を理論的に明らかにすることである。この研究の基礎となる代表的なモデルには(1)ハパードモデル(2)p-d混成軌道モデルがあり、我々はより現実の系(高温超伝導体)に近いといわれる(2)のモデルに関し研究をおこなった。よく知られているように強い電子相関をもつ系には共通して理論的取扱の困難さがあるため、従来の方法にとらわれない新しい解析方法の導入が待ち望まれている。我々は、銅の各原子サイト上で定義された四種類のatomic operatorを導入し、on-siteのクーロン相互作用の効果をすべて二次形式の中に取込み格子間のtransferあるいはp-d混成軌道項を相互作用とするハミルトニアンに変換した。我々は、この変換されたハミルトニアンに対して、次の二つの研究を行った。
(i)p-d混成軌道項を摂動項とみなし有効ハミルトニアンを求め、p-dモデルとハパードモデルとの関係を調べた。
この研究結果に関する論文は投稿準備中である。
(ii)2時間グリーン関数法を利用することにより、dynamicalな理論的取り扱を発展させ、以下の問題にこの方法を適用した。
(ii-a)超交換相互作用常数に対するp-ホールのドーピング効果。
この研究結果に関する論文は現在投稿中である。
(ii-b)シングレット、トリプレット状態に対する空間的な広がりの効果。
p-ホールとd-ホールで作られる束縛状態であるシングレット、トリプレットは完全に局在しているのではなく空間的に広がりをもち、その広がりがp-ホール間の等価的な引力を強めるのに有効であると考えられる。この研究は現在進行中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y. Isawa: Submitted to Journal of the Physical Society of Japan.

  • [文献書誌] Y. Isawa: To be submitted to Journal of the Physical Society of Japan.

  • [文献書誌] S. Maekawa; T. Matsuura; Y. Isawa; H. Ebisawa: Physica C.152. 133-139 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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