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1988 年度 実績報告書

高温超伝導酸化物系における金属・非金属転移

研究課題

研究課題/領域番号 63631510
研究機関東京大学

研究代表者

家 康弘  東京大学, 物性研究所, 助教授 (30125984)

研究分担者 小黒 勇  東京大学, 物性研究所, 教務職員 (80169268)
為ヶ井 強  東京大学, 物性研究所, 助手 (30183073)
キーワード高温超伝導酸化物 / 金属非金属転移 / 圧力効果
研究概要

高温超伝導が発現する系の基本的な電子状態を理解することを目標として、超伝導酸化物及びその周辺物質の伝導特性を調べた。特に、高温超伝導相は金属非金属転移の近傍に現れることが、これまで調べられた系に共通しているのでこの点に注目した。
(1)80K超伝導体であるBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>において2価のCaイオンを3価のYイオンに置き換えることによって、ホール濃度を変化させることができることを見出した。Bi_2Sr_2Ca_<1-X>Y_XCu_2O_<8+Y>におけるXは、金属非金属転移に関して、(La_<1-X>Sr_X)_2CUO_4におけるスロトンチウム濃度Xや、YBa_2Cu_3O_<7-δ>におせる酸素欠損量δと同じような役割を果たす。イットリウム置換量Xに対する相図は、(La_<1-X>Sr_X)_2CuO_4やYBa_2Cu_3O_<7-δ>と非常によく似ており、絶縁体相は反強磁性秩序を示すことまで共通している。
(2)高温超伝導物質に関係深い構造をもちながら超伝導を示さず、低温まで常伝導金属に留まる物質、La_2SrCu_2O_<6+Y>,La_4BaCu_5O_<13+Y>,La_<8-X>Sr_XCu_8O_<20+Y>などの伝導を調べた。La_2SrCu_2O┣D26+Y┫においてはキャリアーを得るために酸素量を増加させる際に必然的に導入されるランダムネスの効果が重要であるとの結論を得た。後二者においては、多数キャリアーは電子であり、ホール伝導を示す高温超伝導物質と対照をなす。
(3)(La_<1-X>Sr_X)_2CuO_4系の超伝導転移温度は圧力が異常に大きいことが知られている。またTcはX〜0.08で最大となりその両側で減少する。Tcの圧力効果をXの異なる一連の資料について測定したところ、圧力係数dlogTc/dpはTcのピークの両側でほぼ同じ振舞いを示すことが判った。またホール係数は圧力によって変化しないことから、Tcの圧力依存性がキャリアー密度の変化によるものでないことが判った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Tamegai et al.: Jpn.J.Appl.Phys.27. L1074-L1076 (1988)

  • [文献書誌] T.Tamegai et al: Jpn.J.Appl.Phys. 28. L112-L115 (1989)

  • [文献書誌] N.Nishida et al: Physica C. 156. 625-628 (1988)

  • [文献書誌] N.Tanahashi: Jpn.J.Appl.Phys.

  • [文献書誌] Y.Iye: "Transport Studies on High Tc Oxides in "Mechanisms of High Temperature Suporconductivity"" Springer, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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