研究概要 |
標記の研究課題を遂行するに当り、本年度は次の3項目の実現を第1の目標に設定した。1.種々の反応性プラズマに対応できる放電装置の製作。2.波長純度に優れている一方で操作及びデータ処理が繁雑なリングレーザー計測にコンピュータ制御を加える。3.操作・調整が簡便な多モード発振パルスレーザーを用いた測定法の開発。 得られた成果は次の通りである。 1.現有のマスフローメーターに加えてメカニカルブースターポンプ一式(ULVAC,YM-100)700千円)を用いることにより、流量及び流速の調節に適したフローシステムを製作、しさらに、直流放電とマイクロ波放電を適宜行うことができる放電システムを開発した。 2.リング色素レーザーの駆動・掃引を制御し、かつ、スペクトルデータのとり込み・処理・記録をパソコンで行うためのインターフェース及びソフトウエアを開発し、これに新規に購入した2位相ロックインアンプ(スタンフォードリサーチ社SR-530;584千円)を組み合わせて測定の自動化を図った。2月末現在で、ソフトウエアの最終チェックを行っている。 3.電場の効果が極めて大きくスペクトル上にあらわれる原子線のリュドベリ遷移に着目し、Ne放電にレーザー2段階光がガルバノ分光を適用することで、中空陰極上部空間における電解分布の計測に成功した。同時に、電場誘起光学遷移が出現していることを見出しこの解析から、従来は知られていなかった、Neの偶リュドベリ準位の項値を決定した。 以上の成果にもとづき、メタン及びシランをシードした希ガスの放電における電界分布を計測する準備が進行中であり、特に、2の完成を待って実行に移す予定である。
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