研究課題/領域番号 |
63632516
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
西野 茂弘 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30089122)
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研究分担者 |
松村 信男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60107357)
実家 淳司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90026154)
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キーワード | 単結晶SiC / β-SiC / プラズマCVD / エピタキシヤル成長 / SiC / Si / 結晶成長 |
研究概要 |
ジラシン、アセチレンを原料ガスとして、マイクロ波励起によるプラズマCVD法により、Si基板上に配向性のある立方晶SiCを堆積させた。成長速度はHe-Neレーザを用いてin situに測定し、膜厚100A°程度からモニターでき、成長機構の解明に有効であることが分かった。 1)成長膜のSi/C比依存性:減圧CVDの場合とプラズマCVDの場合では同じ原料ガスのSi/C比を供給しても、プラズマCVDの方がC-richの条件で最大の成長速度が得られた。これはプラズマ励起により、アセチレンの分解が促進されその結果LPCVDよりもC-rich側にシフトしたものと思われる。 2)成長速度の基板温度依存性:基板温度はに1000℃〜800℃の範囲で行った。減圧CVDの場合、成長速度の基板温度依存性は強く、アレニウス・プロットから24kcal/molの 成エネルギーが得られた。プラズマCVDでは、ほとんど基板温度依存性はなく、減圧CVDよりも速い成長速度が得られている。これは、プラズマ励起により、原料ガスの分解が促進されたものと考えられる。 3)プラズマ励起種の同定:質量分析器および発光分析器を用いてプラズマ励起種の同定を行った。Q-mass測定では、プラズマ・オンでCH_3、CH_4の増加がみられた。またOES測定からはSiH、CHの依存が確認された。これらの化学種が成長膜の性質とどのようにかかわっているかは今後の課題として残されている。現装置は、remote plasmaの構成であり、原料ガスはプラズマ領域を直接通過しないようにしてある。したがって、励起種が十分に分析系に導入されない可能性があり、今後の改良に工夫が必要である。
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