計算機等で得られた各種情報を可視化し画像として表示することは、今後の人間-機械系における重要なヒューマンインターフェースの1つである。機械の持つ情報・知識を視覚化する、すなわち"画像"として情報を可視化することは、人間にとって自然で理解しやすいものであり、人間の要求するデータを画像として表示が行われるようなインターフェースシステムの開発が強く望まれる。 本研究は、3次元実体データから希望する情報を可視化し、3次元的な形状や位置関係の理解を容易ならしめるために、3次元実体表示認識システムを開発しようとするものである。このようなシステムに於いては、人間の希望する事柄に対して実時間で応答するシステムであることが必要である。そのため3次元メモリシステムと高速アドレス演算回路、高速論理演算回路などのハードウエアにより実現すると共に、その1部をファームウエア構成とし、必要に応じてダイナミックにマイクロコードの書き換えを行い、高速3次元画像処理機能も実現させた。本研究により画像処理表示用ワークステーションとしても有効な新しいシステムを提供することが可能となり、機械と人間との対話がより円滑に行い得ることが期待される。 なお63年度の研究により基本的なシステム構成は完成し、3次元実体画像表示システムとしては極めて有効なものとなり得ることが確認された。今後はメモリを拡充し、動画表示機能、高速処理機能などを付加することにより、ヒューマンインターフェースの考慮された画像ワークステーションとしてまとめあげる予定である。
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