研究課題/領域番号 |
63634003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 忠雄 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90006130)
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研究分担者 |
本郷 俊夫 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (80006139)
坂爪 新一 東北大学, 低温センター, 助手 (20005896)
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
鈴木 孝 東北大学, 理学部, 助教授 (30004344)
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
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キーワード | アクチナイド化合物 / 希土類化合物 / f電子 / 重い電子状態 / 極低温 / dHVA効果 / 希釈冷凍機 / 超音波 |
研究概要 |
アクチナイド化合物の5f電子は、局在性の強い希土類化合物の4f電子と遍歴性を示す遷移金属化合物の3d電子との中間に位置し、その物理的性質の解明は未開拓の分野となっている。1988年度に発足した重点領域研究「アクチナイド化合物の物性」(代表者、糟谷忠雄)では、Uを中心としたアクチナイド化合物や、CeやYbの希土類化合物に特徴的に見られる重い電子状態の解明が主要課題の一つとして取り上げられた。藤村班では、ドハース・ファンアルフエン(dHVA)効果の測定により、重い電子のフェルミ面、有効質量等の情報をうることを研究目的としている。重い電子のdHVA効果の観測には、(1)純良単結晶の育成技術、(2)極低温・強磁場測定装置、(3)高感度測定技術、などの極限物性研究法の開発研究をおこなう必要がある。本研究班では主として、(2)および(3)の実験技術の開発に責任をもっている。極低温下でのdHVA効果の実験を目的とした大型希釈冷凍機の独自開発は、本計画研究の中心課題であり、東北大学・科学計測研究所・附属工場で設計製作をおこなっており、第一号機は完成した。現在は、室内配管等がおこなわれており、近々に最初のオペレーションがおこなわれる予定である。次年度以降も、本年度の製作経験に基づき、第2号機、第3号機の製作が予定されており、工作技術等の進歩も期待できる。また希釈冷凍機と結合させる大型超伝導磁石(14.5テスラ)も主要設備品としてオックスフォード社から購入した。帯磁率、超音波の高感度測定技術の開発も、本計画研究の推進の重要な鍵であり、クライオエレクトロニクスの開発がおこなわれている。単結晶試料については、試料作製班において研究が進められており、新物質の開発も含めて、重い電子系の研究の発展が期待できる。
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