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1988 年度 実績報告書

Tissue Factorの生成・発現機構およびVII因子との反応機序

研究課題

研究課題/領域番号 63637504
研究機関京都大学

研究代表者

中村 伸  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10101255)

研究分担者 浅岡 一雄  京都大学, 霊長類研究所, 教務職員 (10089138)
キーワードTissue Factor / Factor-VII / 白血病細胞 / 分化 / 外因系凝固反応 / 血液凝固開始機序
研究概要

本年度はTissue factor(TF)の生成・発現の調節機序を明らかにする一環として、ヒト白血病由来細胞株におけるTFm^-RNA及び細胞表面のTF抗原発現性について、分化誘導因子の影響を検討した。ホルボールエステル性分化因子のTPA(10ng/ml)は、分化状態の異なる3種のマクロファージ系細胞株(ML-3、THP-1、RET-1)のいずれに対しても、TFm^-RNA及び細胞表面TF抗原の発現量を2〜4倍増大させた。一方、リンホカイン性分化因子のINF-γ(10^3u/ml)は、いずれの細胞株に対しても、双方の発現量を1/4〜1/10に低下させた。従って、白血病細胞におけるTFm^-RNA及び細胞表面TF抗原の発現性は、TPAによってup-regulationされ、一方、INF-γによってdown-regulationされることが明らかになった。
更に、固着性細胞株J-82を用い、細胞表面TFとVII因子間相互作用を解析した。^<125>I-ラベルVII子とJ-82を10mMCa^<2+>共存下incubateすると、J-82細胞表面でのTF-VII因子複合体形成が認められた。この時EDTA添加によって、結合したVII因子は可逆的にJ-82表面上のTFから解離した。興味深いのは、J-82TFに結合したVII因子は、Xa様プロテアーゼによって、限定分解を受け、heavy及びlight鎖に切断されていた。このプロテアーゼは、leupeptin、antitrypsin-IIIに感受性であった。また、細胞表層で生じたTF-VII複合体のエンドサイトシスと引き続く細胞内でのdegradation等は認められなかった。以上の結果より、J-82細胞表面でのTF-VII因子相互作用として、TF-VII複合体形成及びXa様活性化因子による複合体VIIVII因子の活性化によるVIIa因子の生成が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 中村伸: 血液と脈管. 19. 450 (1988)

  • [文献書誌] Akihiro YAMADA et al: Eur.J.Biochem.175. 213-220 (1988)

  • [文献書誌] 中村伸: 日本の科学者. 24. 51-52 (1989)

  • [文献書誌] 中村伸: 血栓形成と血栓溶解. (1989)

  • [文献書誌] Shin NAKAMURA: FEBS Lett.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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