• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

神経系機能蛋白質の超微量検出と同定

研究課題

研究課題/領域番号 63638006
研究機関東京都立大学

研究代表者

奥山 典生  東京都立大学, 理学部, 教授 (00087040)

研究分担者 前田 秀一郎  熊本大学, 医学部, 助教授 (10117244)
加藤 尚彦  東京大学, 医学部, 助教授 (80010023)
加藤 兼房  愛知県コロニー, 発達障害研究所・生化学部, 部長 (50022801)
キーワード神経機能 / 脳内蛋白質 / 系統分離 / 組織分布 / 高速液体クロマトグラフィー / 酵素免疫評価法
研究概要

中枢神経系の特色は、異種の細胞集団の階層的な構造によって担われる機能の局在化であり、記憶や学習などの高次神経機能の発現には、神経回路形成の特定の時期に限って出現する蛋白質が重要な役割を担っていると考えられる。また、神経系を構成する各種の細胞には、それぞれの細胞に特異的に存在する蛋白質や、各種の精神神経疾患など、病態時にのみ出現するものも存在している。本研究では、これら神経系に極微量に含まれる蛋白質を系統的に分離、検出、定量し、同定する方法の開発を中心に研究を行ない以下の成果を得た。
(1)分離様式の異なる2種類の高速液体クロマトグラフィーカラムを直列に連結し、2種類のクロマトグラフィーによる蛋白質の分離をマイクロコンピュータを中心とした制御系で制御して分離を複合化した、2次元高速液体クロマトグラフィー装置を開発した。この方法により、神経組織などの組織抽出液や、細胞の抽出液を直接の試料として、約200種類の蛋白質を、検出感度25ngで2時間以内に系統的に分離、検出することが可能となった。またこの方法の開発により、脳内蛋白質についての「蛋白質バンク」および「蛋白質データベース」の作製が可能になった。
(2)脳神経組織に存在する蛋白質、核酸、脂質など、エピトープを2個以上もち、多価の抗体を生成するような生体高分子を超高感度で定量、測定できる免疫酵素サイクリング法を開発した。この方法により、例えば網膜各層に存在する超微量のオルニチンアミノトランスフェラーゼの分布を測定することができた。
(3)ヒト脳に存在する0.1ng程度のグリコーゲンホスホリラーゼbの超微量酵素免疫アツセイ法を確立した。この測定系を用いて、脳型イソ酵素のヒト各組織における詳細な分布を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ichimura,T.;Okuyama,T;et al.: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85. 7084-7088 (1988)

  • [文献書誌] Isobe,T.;Okuyama,T.;et al.: Arch.Histol.Cytol.(1989)

  • [文献書誌] Asuno,T.;Kato,K.;et al.: J.Neurochem.50. 1164-1169 (1988)

  • [文献書誌] Sano,M.;Kato,K.;et al.: Brain Research. 459. 404-406 (1988)

  • [文献書誌] Kato,T.: J.Neurochem.52. 636-640 (1989)

  • [文献書誌] Murakami,T.;Maeda,S.;et al.: Biochemical Biophysical Research Communications. 155. 554-560 (1988)

  • [文献書誌] 奥山典生: "プロテインエンジニアリングと神経科学" 繊維学会, 174-179 (1988)

  • [文献書誌] Tadahiko Kato: "Cholinergic and GABAnergic systems in ALS moter neurons:in AMYOTROPHIC LATERAL SCLEROSIS" Elsevier Science Publishers, 125-130 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi