研究概要 |
ショウジョウバエの味覚遺伝子Treは口器の糖類に応答性を示す甘味受容細胞の応答性の変異として見い出された。この遺伝子は昆虫類の血糖である2糖類trehaloseに対して受容細胞の応答感度の差をもたらす。Treは唾腺×染色体5B-C領域にあるが、遺伝子量効果の見られることや、糖感度の変化がtrehaloseに特異的であることなどの生理学的証拠から、Treは受容細胞の糖受容体分子自体の構造遺伝子か、あるいはそれと特異的に結びついた信号伝達分子をコードする遺伝子と考えられる(Genetics,119、399-406、1988)。この遺伝子をクローン化するために本年度はP因子挿入突然変異体の誘起分離を試み、約10系統の候補を得ている。
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