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1988 年度 実績報告書

Ca^<2+>・燐脂質依存性蛋白質燐酸化酵素(Cキナーゼ)の基質認識について

研究課題

研究課題/領域番号 63641511
研究機関福井医科大学

研究代表者

山村 博平  福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)

研究分担者 田中 幸枝  福井医科大学, 医学部, 教務職員 (10197486)
坂上 庸一郎  福井医科大学, 医学部, 助手 (00187030)
中村 俊一  福井医科大学, 医学部, 助手 (40155833)
箸本 英吉  福井医科大学, 医学部, 助教授 (20116239)
キーワードCキナーゼ / プロタミン / 燐酸化部位 / フルペイン / 血小板
研究概要

イノシトール燐脂質代謝によって活性が発現するCキナーゼは、ホルモン作用における情報伝達酵素として脚光をあびている。また発癌誘発剤であるホルボールエステルがイノシトール燐脂質の代謝とはかかわりなくCキナーゼを活性化することから、Cキナーゼと癌化の関係も注目されている。最近Cキナーゼが従来考えられていたような単一体ではなく複数存在することが、酵素蛋白質並びにCDNAの解析から明らかとなった。脳において見い出されたα、βI、βII、γの4つのタイプからさににδ、ε、ζと少なくとも7種類存在することが報告されており、各細胞において異なったCキナーゼが異なった情報を伝えている可能性も考えられている。現在Cキナーゼの基質として数多くの酵素や蛋白質が同定されているが、in vivoにおいて基質として同定されたものはほとんどない。今年度は我々はCキナーゼのプロタミン硫酸の燐酸化部位について検索した。プロタミン硫酸はin vivoにおいて多数のセリン・スレオニン残基が燐酸化されることは知られているが、いかなる蛋白質燐酸化酵素によるのかは明らかにされていない。またCキナーゼがどのアミノ酸を燐酸化するかは不明であった。牛血小板より精製したCキナーゼ(α、βI、βIIの混在)による構造の明らかとなっている3種のプロタミン硫酸、クルペインY-1、Y-2とZの燐酸化部位について調べた。CキナーゼはCAMP依存性蛋白質燐酸化酵素(Aキナーゼ)と異なり、Y-2とZにおいてはすべてのセリン及びスレオニン残基を燐酸化した。AキナーゼはY-1のセリン残基のみを燐酸化するのに比して、Cキナーゼはセリン、スレオニン残基ともに燐酸化する。現在Y-1のどのセリンとスレオニン残基を燐酸化するか検討中である。このようにCキナーゼはプロタミンのin vivoの燐酸化酵素として有力な候補であることが示されたが、さらに他の生理的基質について明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kaoru,Nishiyama: Biochemistry International. 17. 51-58 (1988)

  • [文献書誌] Shun-ichi,Nakamura: Biochem.Biophys.Res.Commun.151. 242-247 (1988)

  • [文献書誌] Eikichi,Hashimoto: Journal of Biochemistry. 104. 934-938 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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