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1988 年度 実績報告書

イノシトール燐脂質代謝回転のスイッチオフ機構と脳機能との相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63641521
研究機関大阪大学

研究代表者

中川 八郎  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20029937)

研究分担者 岡田 雅人  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10177058)
永井 克也  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (70029966)
キーワードイノシトール燐脂質代謝 / イノシトール1,4,5-P_3 / イノシトール1,3,4,5-P_4、IP_3、IP_4分解酵素
研究概要

細胞外情報伝達物質の刺激に応答してホスファチジルイノシトール1,4-P_2から生成するイノシトール1,4,5-P_3(IP_3)、それがさらにリン酸化されて生じるイノシトール1,3,4,5-P_4(IP_4)は、細胞質内のCa^<2+>濃度調節に機能するセカンドメッセンジャーとして注目されている。本研究は、これらメッセージの消去、即ち情報応答のスイッチオフの段階で最も重要な位置を占めると思われるIP_3,IP_4分解酵素群を進めることによって、イノシトールリン脂質代謝の詳細な調節機構、さらには脳機能との相関を明らかにする目的で行なわれた。
まず、ラット脳、肝を材料に、イノシトール環の5位についたリン酸を特異的に加水分解するIP_3,IP_4分解酵素の分離同定を進めた。その結果、本酵素に3種のイソ型が存在することが明らかとなった。1種は、細胞膜に強固に結合して存在し、IP_3(Km=5uM)、IP_4(Km=0.8uM)共に分解した。分子量は、ゲル濾過法から約32Kと推定された。他の2種(TypeI、TypeII)は細胞質に存在し、TypeIは細胞膜結合型とほぼ同様の性質を示した。一方TypeIIは、分子量(69K)、等電点、二価陽イオンの要求性等が他の2種と異なり、またIP_4に対するKm値(130uM)が非常に大きいことから、主にIP_3分解に関与する酵素分子であることが示された。また細胞膜結合型及びTypeIのIP_3分解活性が、低濃度のIP_4によって競争的に阻害されることから、IP_4の機能の一つとしてIP_3分解の抑制的効果が示唆された。次に、これら3種の生理的意義を考察するために、発現の臓器特異性、発生段階における変化を追跡した。その結果、TypeIIの発現が脳特異的であることが明らかとなり、また脳の発達に伴って発現量が増大することから、成熟した神経系に特有の機能を発揮していることが示唆された。
現在、これらのイソ型に対する抗体の調整、特異的阻害剤の開発を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Takimoto: J.Biochem.

  • [文献書誌] K.Takimoto: J.Biochem.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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