本研究の主たる目的は、政治学の分野において、これまで収集されてきた政治意識調査のデ-タについて、デ-タバンクの開発のための基礎研究を行うことにある。より具体的には、(1)政治意識調査デ-タの所在の確認と入手、(2)利用可能なデ-タについて、その整理とミシガン大学のICPSRによって刊行されているような総合的コ-ドブックの作成、(3)デ-タ公開のためのコンピュ-タ-・ネットワ-クシステムの開発の三つである。 デ-タの入手については、大規模な全国政治意識調査である。JESパネル調査、JABISSパネル調査、明るい選挙推進協会の選挙調査を入手し、その整理を行った。また平成2年2月に行われた、衆議院議員総選挙の調査を中央調査社より購入した。 コ-ドブックについては、JES調査とJABISS調査について作業が完了し、出版を行った。デ-タ公開については、他の大学の研究者がパソコンと電話回線を使って分析が可能になるように、ネットワ-クシステムの開発に着手した。 本研究において、放っておけば、研究に利用されないまま散逸してしまう可能性のあるデ-タを保存、整理、公開することが可能になった。デ-タバンクの重要性が叫ばれている現在、本研究の貢献は相当大きいと思われる。本研究の成果の一部は、平成2年5月に開催される日本選挙学会において報告の予定である。
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