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1988 年度 実績報告書

大環状ポリアミンを分子認識素子とする新しい化学センサーの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 63840019
研究種目

試験研究

研究機関北海道大学

研究代表者

梅澤 喜夫  北海道大学, 理学部, 教授 (80011724)

研究分担者 小池 透  広島大学, 医学部, 講師 (90186586)
木村 栄一  分子科学研究所, 錯体合成部門, 教授 (30034010)
片岡 正光  北海道大学, 理学部, 助手 (40091425)
菅原 正雄  北海道大学, 理学部, 助手 (50002176)
小田嶋 和徳  北海道大学, 理学部, 講師 (30152507)
キーワード脂溶性大環状ポリアミン / 分子認識素子 / 電位応答 / ATP^<4->センサー / ジカルボン酸陰イオンセンサー / 中性分子センサー
研究概要

本年度は以下のセンサーを試作し、その評価を行った。
1.ATP^<4->センサー 脂溶性大環状ポリアミン1__〜をATPリセプターとして包埋するPVC支持タイプ感応液膜を調製し、ATPセンサーを開発した。液膜界面の1__〜のプロトンの取り込みが本リセプタータイプセンサーの応答の前提条件であることを見出した。ATP^<4->に対する応答は10^<-7>〜10^<-3>Mの範囲でネルンスト傾斜(14.5mV/decade)を示した(pH=6.7,HEPES buffer)。他のヌクレオチドに対する選択性(-log K^<pot>)は、ADP^<3->およびAMP^<2->に対して1.45および1.52であった。一方、生体試料中のATPの定量では、高濃度の塩化物イオンの共存の影響が常に問題となるが、塩化物イオンの妨害は低い(-log K^<pot>=3.24)。
2.ジカルボン酸陰イオンセンサー ジカルボン酸イオンセンサーは、1と同じ電極を用い、異性体等の識別応答について検討した。試料溶液のpHは、目的イオンの電荷がすべて2-となるように調製した。その結果、^-OOC(CH_2)_nCOO^-(n=1〜4)の直鎖状同族体ではnが小さいほど選択性が高く、フタル酸位置異性体では、o->m->p-、マレイン酸・フマル酸幾何異性体ではシス>トランスの選択性を示すことが判った。
3.カテコールセンサー 脂溶性大環状ポリアミン1__〜を感応素子とする液膜センサーは、カテコール類に対してそれらが電荷をもたない非解離型として存在する弱酸性〜中性pH領域に於て濃度に依存する電位応答を示した。各種カテコール関連物質に対する電位応答を体系的に調べた結果、これらの中性分子に対する電位応答のメカニズムとして、ホストーゲスト錯形成に伴うプロトンの放出の可能性が示された。
4.大環状ポリアミンを分子認識素子とするセンサーの一般化のため、N_6,N_8タイプの大環状ポリアミンの合成も手掛け現在進行中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Umezawa: Anal.Chem.60. 2392-2396 (1988)

  • [文献書誌] M.Kataoka: Anal.Lett.(1989)

  • [文献書誌] Y.Umezawa: "Handbook of Ion-Selective Electrodes,Vol.1" CRC Press, (1989)

  • [文献書誌] Y.Umezawa: "Ion-Selective Electrodes 5" Akademiai Kiado and Elsevier, (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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