研究概要 |
フェノ-ル酸化酵素前駆体活性化系の内βー1,3ーグルカン認識タンパク(BGRP)やペプチドグリカン認識タンパク(PGRP)から始まりBAEEase(βー1,3ーグルカンやペプチドグリカンで活性化されるセリン型プロテア-ゼ)にいたる経路を構成する要素の単離、構造解析に努力を傾注した。以下にその成果の概要を示す。 1.家蚕幼虫からフェノ-ル酸化酵素前駆体活性化系のひきがねをひかないようにして集めた血液の血漿部分(CSーplasma)をSephadex G-150、Phenyl-Toyopearl、Heparin-Toyopearl、FPLC-systemに装着されたPhenyl-Superose column,Mono-Q columnなどでBAEEaseの前駆体を均一な標品として得る方法を模索した。上述したcolumn chromatographyにより均一な標品を得ることができる場合と、得られない場合がありBAEEase前駆体の均一な標品を得るためには精製法の一層の改良が必要であることが明らかになった。現在、改良法を開発中である。 2.BAEEase前駆体を得る過程でBGRPやPGRPからBAEEase前駆体までのカスケ-ド経路にBGRP,PGRPそれにBAEEase以外にカスケ-ドの構成要素が存在することを確認した。また、その構成要素のassayも不完全ではあるができるようになった。このことはBGRPやPGRPからBAEEase前駆体までのカスケ-ド構成要素を一つ一つ単離し、カスケ-ドを試験管内で再構成する方向に大きく前進したことを意味している。 3.BGRPやPGRPの一次構造決定を開始した。これはPGRPやBGRPをエドマン分解法で処理して一次構造を決定する方法と、cDNAを得てcDNAの塩基配列からアミノ酸の配列を推定する方法の二つの方法により行っている。
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