研究概要 |
今年度当初の、研究計画は、 1.四軸型自動回折計に装備する高角度まで強度測定可能な小型の白金抵抗炉を設計、作製する。 2.光ファイバ、光検出器らを組合せた、非接触型温度計測システムを設計、作製する。 の二項目であった。 項目1に関しては、項目2が完成後に温度計測システムに合わせる必要があり、現時点では、予備的な設計の段階である。従って、今年度は項目2に関した研究に重点がおかれた。 この温度計測システムは、以下に述べる3つの主要部から構成される。まず温度測定側に、スポット径0.3mm、焦点距離76mm、ファイバ長900mmの二色式用集光ファイバ・プローブを使用する。次に硫化鉛を検出素子とした赤外線検出器、音叉振動子、プリアンプらを内蔵した、ディテクター・ヘッド部を接続する。これにより、950℃以上の温度測定が可能である。さらにケーブルによりディジタル・メータ、レコーダ出力(1mV/℃,リニア,0〜10VDC,リニア)及びコントロール機能を備えた、エレクトニック・コンソールへ接続される。他に温度設定用較正源(CS-A型)、レンズ集光用光源(LS15ー3型)を付属させている。機能は、フルスケールの±一%、応答速度5ミリ秒を予測しているが、実験は来年度に行なう予定である。 今年度、温度計測システムの設計、及び、組み上げをほぼ完成したもので、次年度は機能作動実験、色々な環境下での、融点測定による、温度補正試験の実験を行ない、四軸型X線回折装置のゴニオメータに使用できる小型電気炉を完成し、新しい単結晶の高温回折実験のシステムを作る予定である。
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