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1989 年度 実績報告書

陽電子消滅の研究のためのアンガ-カメラの改変

研究課題

研究課題/領域番号 63850005
研究機関名古屋大学

研究代表者

堂山 昌男  名古屋大学, 工学部, 教授 (40010748)

研究分担者 松岡 洋史  名古屋大学, 工学部, 助手 (90201772)
鈴木 泰之  三重大学, 工学部, 助教授 (80150283)
キーワード陽電子 / 運動量分布 / アンガ-カメラ
研究概要

がんなど医学の診断用としてアンガ-カメラが広く使われている。このカメラは医用としては大体10年を経過すると廃棄されるが、本研究ではこのような医用としては古く役に立たないアンガ-カメラを改変して、陽電子消滅用の研究に利用する。静岡市立病院からと東京大学医科研からもらって来たアンガ-カメラを改変しつつある。アンガ-カメラの光電子増倍管の強度を比較することにより、ガンマ-線が入った場所を決定した。これを二つのアンガ-カメラについて行ない、陽電子消滅によるガンマ-線から放出される2本のガンマ-線の角度相関を測定し、物質、材料中の電子の運動量を測定するものである。本年は一つのアンガ-カメラ(静岡市民病院からの)の場所の決定が出来るようになった。現在二つのアンガ-カメラの間にコインシィデンス回路を組み込み中である。
陽電子消滅法は物質中の電子の運動量分布、すなわち金属においてはフエルミ面を決定する有力な手段である。とくに合金などのランダム系においてはドファ-ス・ファン・アルフェン効果などでは測定困難なため、この方法は威力を発揮する。陽電子消滅法において、今まで伝統的には一次元スリット法が使われてきたが、本研究は中古の医用のアンガ-カメラ2台を改造して陽電子消滅の時発生する2本のガンマ-線を面で受け、ガンマ-線の入射位置を2次元的に捕え、2台の間に同時計測を行ない、今までとは比較にならないほどの効率で電子の運動量分布測定を行う。これは単に計測速度が速くなるのみでなく、今まで測定不可能であると思われていた実験が可能になる。また陽電子消滅は結晶欠陥に非常に敏感である。金属中の結晶欠陥測定の方法として、ここ15年程度非常に盛んになってきている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Doyama: "Non-Destructive Testing of Silicon Single Crystals by Positron Annihilation" Positron Annihilaon(8th Int.Conf.on Positron Annihilation). 699-701 (1989)

  • [文献書誌] H.Numata: "Positron Annihilation in Alloy Semiconductors and GaAs" Positron Annihilation(8th Int.Conf.on Positron Annihilation). 717-718 (1989)

  • [文献書誌] S.Ishibashi: "Positron Lifetime Spectroscopy on High-Tc Superconductor ABa_2Cu_3O_7(A=Y,Eu)" Positron Annihilation(8th Int.Conf on Positron Annihilation). 925-927 (1989)

  • [文献書誌] M.Matsui: "Positron Annihilation in High Tc Ba-Y-Cu-O" Positron Annihilation(8th Int.Conf.on Positron Annihilation). 928-930 (1989)

  • [文献書誌] M.Doyama: "Positron Annihilation in Bi-Sr-Ca-Cu-O High Tc Superconductors" Positron Annihilation(8th Int. Conf.on Positron Annihilation). 931-932 (1989)

  • [文献書誌] M.Doyama: "Magnetic Phase Diagram of YBa_2(Cu_<1-x>Fe_x)_3O_y and YBa_2(Cu_<1-x>Co_x)_3O_y" Proceedings of International Conference of MRS,Boston,1989. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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