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1988 年度 実績報告書

超軟X線励起光電子分光法の高性能化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63850009
研究機関武蔵工業大学

研究代表者

服部 健雄  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)

研究分担者 伊藤 秋男  理学電機, 研究開発部
森木 一紀  武蔵工業大学, 工学部, 講師 (60166395)
キーワード超軟X線 / 光電子分光法 / ZrMζ線 / 非破壊分析 / Si_2p光電子スペクトル / 洗浄過程 / 自然酸化膜
研究概要

X線発生部のZrターゲットを電子衝撃するための高密度電子ビームの供給源である電子銃、X線強度を高めることの可能な回転対陰極型X線管およびZrMζ線を分光するための回折格子を設計製作した。これらを用いた超軟X線励起光電子分光法の高性能化を確認するための基礎的実験を行った。すなわち、ZrMζ線およびMgKα線励起Si_2p光電子スペクトルを組合わせて測定することにより、シリコン基板の洗浄過程において形成される膜厚1nm前後の極めて薄い自然酸化膜の化学結合状態の深さ方向非破壊分析を行い、種々の洗浄過程において形成される自然酸化膜の構造の違いを初めて明らかにすることができた。その概要を以下に述べる。非破壊で深さ方向の構造変化を検出するには、検出深さを変化させて測定する必要がある。そのため、MgKα線励起Si_2p光電子スペクトルの角度分解型測定を出射角90°、41.8°、19.5°において、ZrMζ線励起Si_2p光電子スペクトル測定を出射角90°において、それぞれ行った。それぞれの場合における実効的電子の脱出深さは、それぞれ2.8nm、1.9nm、0.9nm、0.5nmである。この実効的検出深さの違いを用いて自然酸化膜中のサブオキサイドSi^<1+>、Si^<2+>、Si^<3+>の深さの方向変化を調べたところ、次の結果が得られた。(1)洗浄過程において形成される自然酸化膜の構造は、酸化膜中でのSi^<3+>の分布の仕方により二つの場合に別れる。すなわち、硝酸系溶液による洗浄の場合にはSi^<3+>が酸化膜中に一様に存在し、アンモニア系溶液の場合にはSi^<3+>が界面近傍に局在する。(2)もし、酸化膜中のSi^<3+>の構造として、Si-H結合を考えると、光励起塩素エッチングの洗浄方法依存性、洗浄過程での自然酸化膜の形成速度の洗浄方法依存性、洗浄後の熱酸化膜の形成連度の洗浄方法依存性などが理解できる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Hattori: JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS. 27. L1120-L1122 (1988)

  • [文献書誌] 森木一紀: 電子情報通信学会論文誌C. J71ーC. 1015-1020 (1988)

  • [文献書誌] T.Hattori: Extended Abstracts of 20th(6th Intern.Conf.)on Solid State Devices and Materials. 479-482 (1988)

  • [文献書誌] H.Yamagishi: JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS. 27. L1398-L1400 (1988)

  • [文献書誌] T.Hattori: JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS. 28. L296-L298 (1989)

  • [文献書誌] 服部健雄: 半導体基盤技術研究会会誌. 1. (1989)

  • [文献書誌] 服部健雄: "日本表面科学会10周年記念「表面科学の基礎と応用」第3章第5節 絶縁体/半導体" エヌ・ティ・エス, (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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