研究課題/領域番号 |
63850009
|
研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
服部 健雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)
|
研究分担者 |
森木 一紀 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (60166395)
高橋 幸郎 埼玉大学, 工学部, 助教授 (10124596)
|
キーワード | 光電子分光法 / XPS / 軟X線励起光電子分光法 / ZrMζ線 / 回転タ-ゲット / シリコン酸化膜 / シリコン界面 / 自然酸化膜 / 熱酸化膜 |
研究概要 |
次の仕様を有する単色化したZrMζ線を励起源とする光電子分光分折器の開発を試みた。 1.回転数6000rpmで回転する直径100mm、長さ50mmの円柱形回転対陰極を使用することにより、タ-ゲット固定型のヘンケ形X線発生装置の10倍以上の強度を得た。なお、X線発生用電源の最大出力は4kwである。 2.エネルギ-分解能を0.2〜0.3eVまで高めるために、曲率半径998.8mm、格子数1200本/mm、ブレ-ズ波長290Aの凹面回折格子を使用して、ZrMζ線を単色化した。しかし、現在までに期待通りの成果は得られていない。 3.高エネルギ-分解能の測定を可能とするために、電源の安定度を10^<-5>とした。その結果、結合エネルギ-の測定分解能を30meV程度とすることができた。次に、ZrMζ線励起光電子分光分折器により得られた予備的成果について述べる。 1.熱処理により酸化膜表面の構造が変化し、酸化膜の表面にサブオキサイドが生成される。 2.純水中、常温において形成された自然酸化膜の界面構造は、(100)、(110)、(111)面の違いを反映しない。 3.ウエ-ハの洗浄過程においてシリコン基盤上に形成された膜厚1nm前後の自然酸化膜の構造の深さ方向変化を、電子の実効的脱出深さを変化させることにより非破壊測定した。なお、ZrMζ線を用いた表面敏感な測定法およびMgkα線を用いた角度分解光電子スペクトル測定法を用いて、実効的脱出深さを変化させた。その結果、自然酸化膜中のSi^<3+>はアンモニア系溶液では界面近傍に、熱硝酸系溶液では酸化膜中にほぼ均一に存在する点に違いがあることが明らかとなった。 4.Asを高濃度に添加したシリコン上に形成されるSiO_2/Si界面近傍のAsの分布を、酸化膜を化学エッチングすることにより調べた結果、酸化膜中の界面近傍にAsのパイルアップが生じていることが見出された。
|