研究課題/領域番号 |
63850019
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
青木 繁 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016436)
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研究分担者 |
宮坂 松甫 荏原総合研究所, 第2研究室, 主任
岸本 喜久雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30111652)
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キーワード | ガルバニック腐食 / 境界要素法 / エキスパートシステム / ラプラス方程式 / 分極曲線 / ニュートン・ラフソン法 / カソード防食 / 最適化 / モニタリング / 逆問題 |
研究概要 |
ガルバニック腐食は、腐食性雰囲気中に二種の金属が電気的に接触した状態で置かれた場合に、電気化学的作用により一方の金属が選択的に腐食する現象であり、種々の機械・構造物は毎年ガルバニック腐食によって大きな損害を蒙っている。設計の際には、ガルバニック腐食を少なくするように、各部材の材料や寸法および犠牲陽極の設置位置などが選定される。また、適当な腐食代が見積られる。しかし、これらの選定や見積りには経験や勘に基づいて行われる場合が多く、より合理的な取り扱いが必要と考かられる。 そこで、本研究では、境界要素を用いて任意形状の物体の腐食速度を正確に予測できる解析プログラムを作成し、それに基づいて、適切な防食手法の指示や設計変更の要請などを行うエキスパートシステム構築することを目的とする。以上の目的に沿って、本年度は以下の様な研究を行った。 境界要素法を用いてガルバニック腐食場の三次元数値解析プログラムを開発するとともに、塩水を満たした鋳鉄ーステンレス銅製円筒容器の電位および電流密度分布を実測して、解析結果が実測結果とよく一致することを確かめた。また、アルミニウムの小片による犠牲陽極の効果に関する解析結果も実測結果とよく一致した。つぎに、領域をいくつかの部分領域に分割して境界要素解析する方法を開発し、溶液中に薄い遮蔽物が存在する場合に対して解析し実測結果と比較した。さらに、無限領域に対する解析法の開発、非線形性の強い境界条件(分極曲線)に対するニュートン・ラフソン法の修正、分極曲線の関数近似法の改良などを行った。また、この他、カソード防食における最適な供給電流の決定の問題、腐食のモニタリングに関する逆問題解析手法によるアプローチについて研究を行った。
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